石川県立航空プラザ見学記録


 2012年9月24日(月曜日)

 小松航空祭の見学に合わせて、小松空港近くにある石川県立航空プラザを見学してきました。
 この施設は、航空技術や歴史などの資料や、実物の航空機などが展示された博物館です。
 館内には、旧小松海軍航空基地に関係する資料や、退役した自衛隊の航空機や民間機が展示されているほか、民間航空機関連の展示物や、有料でYS-11A型機のフライトシミュレータ―を操作することもできます。
 1階ロビーには、自衛隊グッズを取り扱った売店もありました。
 ここでは、航空プラザのミリタリーに関する展示品のみを紹介するとともに、小松空港や空港敷地外から見た小松基地の様子なども公開します。

 石川県立航空プラザは、石川県のホームページで紹介されています。
    http://www.pref.ishikawa.lg.jp/aviation/index.html

 航空プラザの外観です。
 入場料や駐車料金は無料です。
 海上自衛隊の練習機「KM-2」です。
 海上自衛隊小月基地に配備され、平成7年3月に用途廃止になった機体です。
 屋外には、「HSS-2B」と「KM-2」の2機が展示されています。  海上自衛隊の対潜哨戒ヘリコプター「HSS-2B」です。
 昭和58年に製造、海上自衛隊館山基地に配備され、平成7年7月に除籍された機体です。
  
 機内を見ることができます。  写真左側 : 機内前方
 写真右側 : コクピット
  
 館内の展示品を紹介します。
 写真左側は、戦闘機パイロットの服装と装備です。
 写真右側は、小松基地救難隊の隊員が創隊50周年を記念して作成した「UH-60J」のミニチュアモデルで、ほとんどが紙で製作されています。
 過去の小松基地航空祭のポスターが掲示されていました。
 F-15J配備前でF-4EJが使用されたり、ブルーインパルスの使用機が「T-2」でカラースモークが使用されていたり、時代の流れを感じさせます。
 1式戦闘機「隼」1型丙の1/8スケールモデルです。
 実物と同様に木製の骨組みにアルミ板を貼り付けて製作されています。
 三菱零式艦上戦闘機22型の1/9スケールモデルです。  四式射爆照準器のレプリカです。
 玉虫型飛行機の復元模型です。
 玉虫が飛ぶ姿をヒントに作成された人力飛行機です。
 この飛行機の設計者は、日清戦争で飛行機の実用性を感じて幾度も上申したものの却下され、独自に開発を進めました。
 旧日本軍機や小松海軍航空基地についての展示コーナーです。
 小松空港は、旧日本海軍が建設した飛行場が起原になっています。
  
 写真左側 : 神雷部隊戦闘指揮所の看板
 写真右側 : 一式陸上攻撃機のプロペラブレード
 神雷部隊とは、日本海軍が初めて組織した空中特攻専門部隊「712海軍航空隊」の通称名です。
 主に鹿児島県鹿屋基地から発進していましたが、戦局の悪化により、小松基地に主力が移されました。
 飛行場輾圧作業車(ロードローラー)の標識輾
 小松海軍航空基地の作業車の前部に取り付けられていた標識です。
  
 写真左側 : 艦上攻撃機「天山」の主輪
 写真右側 : 一式陸上攻撃機の乗降用ハシゴ
 天山の主輪は、終戦後に破壊処分されたものが荷車として使用されていましたが、劣化が少なく当時の姿を留めています。
 写真左側 : 旧日本軍航空機の主輪
 写真右側 : 双発爆撃機「銀河」の尾輪
 どちらも戦後、運搬車や荷車に流用されていましたが、現在でも良好な品質を保っています。
 様々な資料が展示されています。
 ガラスケース下段の展示品は、銀河11型の主力端の部品で、現存しているものでは全国で唯一とされています。
 航路標識弾です。
 飛行中に偵察員が手で投下させると、着水でブリキ製の弾体が壊れて中のアルミ粉末が散乱するので、その形状から風速、風向、位置などを確認しました。
 小松海軍航空基地の保有機の模型です。
 終戦時の保有機は、零戦6機、彗星1機、97式艦攻7機、天山2機、彩雲29機、東海5機、96式陸攻9機、一式陸攻13機、飛龍4機、93式中間練習機3機、零式練習戦闘機3機でした。
 航空機の歴史について紹介されたフロアです。
 展示品の多くは模型です。
 零式艦上戦闘機52型の1/7スケールモデルです。
 バトル・オブ・ブリテンについても解説されていました。  旧ドイツ軍機の模型です。
 各国の軍用機の模型も多数展示されていました。
 航空機展示フロアです。
 大掛かりな子供用遊具も設置されています。
 階段下に保管されていた「AMS-1」空対艦ミサイルの木製モックアップモデルです。
 手前に一部が写っているのは、F-2の300ガロン燃料タンクの木製モックアップです。
 陸上自衛隊の「OH-6J」観測ヘリコプターです。  航空自衛隊の「T-33A」ジェット練習機です。
 アリソンJ-33A-35ジェットエンジンです。
 T-33Aに搭載されていたエンジンで、吸入した空気を遠心で圧縮する型式です。
 故障が少ないものの、直径が増大し、出力限界があるため、今後は使用されることの無い型式と言われています。
 「F-2B」機首部分の実物大の木製モックアップです。
 単座型の「F-2A」は、機体全体のモックアップが作成されましたが、複座型の「F-2B」は、機首から操縦席部分のみが作成されました。  航空自衛隊の戦闘機「F-104J」です。
 航空自衛隊の「T-2」練習機です。
 かつてブルーインパルスが使用していた機体です。
 航空自衛隊の「富士 T-3」初等練習機です。
 航空プラザは小松空港入口前にあるので、小松空港も見て行くことにしました。  空港ターミナルビル送迎デッキの様子です。
 送迎デッキから見た小松基地の様子です。
 小松基地は、滑走路を挟んで対面側にあります。
 格納庫などの基地施設です。
 格納庫内が見通せます。  エプロンに駐機する「UH-60J」と「U-125A」です。
 アラートハンガーです。
 スクランブルに備えた戦闘機が待機する格納施設です。
 大型破壊機救難消防車などが待機しています。
 陸上自衛隊のヘリコプターが離陸する様子を見ることができました。
 離陸する「UH-60JA」です。
 離陸する「OH-6D」です。
 両機は中部方面航空隊の所属機で、前日の航空祭に展示されていた機体です。
 大阪府にある陸上自衛隊八尾駐屯地に帰投します。
 ターミナルビル2階には、小松空港紹介コーナーがあり、航空自衛隊の航空機模型などが展示されていました。
 小松基地では、スクランブルに備えて、F-15Jが常時待機しています。
 この日は、少し離れた場所から、スクランブルから帰投した「F-15J」を見ることができました。
 小松空港敷地外から見たアラートハンガーの様子です。
 アラートハンガーの位置は、一般道路から近すぎるように思えます。
 少し前に、スクランブルから帰投した「F-15J」が着陸しました。
 アラートハンガーの前には、燃料給油車が移動して来ました。
 基地内を走行する「1・1/2tトラック」です。
 敷地内の残されている掩体壕です。
 太平洋戦争時に建設された物のように思えます。
 航空機を格納するには小さ過ぎるので、使用目的は分かりません。