筑波海軍航空隊記念館見学記録


 2014年2月10日(月曜日)


 茨城県笠間市にある「筑波海軍航空隊記念館」を見てきました。
 筑波海軍航空隊記念館は、映画「永遠の0」の公開を記念して、旧筑波海軍航空隊司令部庁舎を平成24年12月20日から平成25年5月6日までの期間限定で一般公開しています。
 笠間市(旧友部町)には、昭和9年に霞ヶ浦海軍航空隊友部分遣隊が開設され、昭和13年に筑波海軍航空隊と改称されました。
 旧司令部庁舎は、昭和13年に完成していますが、戦火を免れ、ほぼ当時のままの状態で現存しており、永遠の0の撮影も行われました。
 館内には、撮影で使用されたセットが展示されている他、筑波海軍航空隊に関係する資料なども見ることができます。
 余談ですが、私が訪れた日の翌2月11日には、入場者数1万人を達成したようです。

 筑波海軍航空隊記念館の説明は、プロジェクト茨城のホームページで紹介されています。
    http://www.p-ibaraki.com/
 筑波海軍航空隊の詳細な説明は、筑波空・友の会 公式サイトで紹介されています。 
    http://homepage3.nifty.com/8137/newpage1.htm

 筑波海軍航空隊記念館は、茨城県立こころの医療センター敷地内にあります。
 病院の正門から敷地内に入ると、すぐ右側に見学者用駐車場があり、そこから病院に向かって歩いて行くと、左側にあります。
 笠間市内では、筑波海軍航空隊記念館を宣伝するのぼり旗が立てられているのが目に付きます。
 町おこしの後押しをして、盛り上げようとしている雰囲気が感じられます。
 筑波海軍航空隊記念館の全景です。
 前日の記録的大雪のため、グランドは一面雪に覆われています。
 これから春を迎え、桜が開花すれば、違った趣の写真が撮影できると思います。
 建物中央の入場口の様子です。  受付では、全22ページのパンフレットが頂けます。
 パンフレット左下のマスコットは、公式キャラクターの友部 空(ともべ そら)くんです。
 館内の案内に度々登場するので、お見知り置き下さい。
 この建物は、昭和13年に完成しているので、今年で76年を迎えます。
 見学時には、建物の保全に配意して下さい。
 見学の順路は1階からです。
 この階段では、映画の撮影が行われましたが、後ほど説明します。
 こちらでは、筑波海軍航空隊などに関係する記録映像が上映されています。  霞ヶ浦海軍航空隊友部分遣隊の開設からの歴史について、説明されています。
 館内には、映画で撮影された場所についての説明がされています。
 この階段では、上官に殴られた宮部久蔵(映画の主人公)が階段を上がってくる場面が撮影されました。
 2階廊下です。
 ここでは、負傷した大石賢一郎(主人公のの部下)が、担架で運ばれる場面が撮影されました。
 旧司令室です。
 ここでは、宮部が訓練中の事故で殉死した部下をかばい、上官に殴られる場面が撮影されました。
 晴天の日差しが窓から差し込み、グランドの積雪が写り込むので、見難い写真が多くなってしまいました。  旧司令官室のバルコニーからグランドを見た様子です。
 副官室です。
 ここでは、予備士官の武田らが宮部の陰口を叩いているところを、大石が聞いている場面が撮影されました。
 副官室に置かれた机は、筑波海軍航空隊時代に使用されていたものと説明されています。  ロケ再現部屋です。
 この記念館の見所の一つです。
 海軍病院を再現したセットが展示されています。
 ここでは、宮部が入院している大石を見舞いに訪れた場面が撮影されました。
 上の写真の反対側から撮影した様子です。  映画の中で、宮部が大石に手渡した外套が展示されていました。
 注意書きが雰囲気を出しています。  看護師のマネキンを撮影した訳ではなく、気になったのは、その後方にある「」です。
 実物かも知れません。
 展示室1の様子です。
 ここでは、「霞ヶ浦海軍航空隊友部分遣隊~筑波海軍航空隊開隊」をテーマに展示されています。
 九三式中間練習機(通称赤トンボ)です。
 筑波海軍航空隊にも配備されていました。 
九三式中間練習機の実物のプロペラです。
 中央部に刻まれた文字です。
 川西航空機製と読み取れます。
 プロペラの端は金属で補強されています。
 羽には傷みが見られますが、その部分からは、素材が合板のようにも見えます。


昭和16年から19年頃の航空要員募集のポスターです。
 展示室2の様子です。
 ここでは、「太平洋戦争勃発~ゼロ戦配備の航空隊」をテーマに展示されています。
 展示品の一部です。
 電熱飛行被服です。  電熱手袋と電熱足袋です。
 昭和19年製と表示されています。
 一部に虫食いのような跡がありますが、非常に良好な状態で保存されていました。
 
 司令部庁舎の写真です。
 ほぼ当時のままの状態で保存されていることが分かります。
 展示室3の様子です。
 ここでは、「神風特別航空隊~終戦」と「元偵察隊員の目」をテーマに展示されています。
 筑波海軍航空隊からも神風特攻隊が編成されて、多くの若い命が失われています。
 個々の写真や遺品などの撮影は控えることにしました。
 企画展示室の様子です。
 ここでは、「パネル展 元赤城搭乗員の記録」をテーマに展示されています。
 展示品は一部しか紹介していないことを断っておきます。
 売店に掲示された映画のポスターです。
 1階には、笠間アンテナショップが開設されており、地元の特産品やお土産品、記念館の関連商品などが販売されています。
 記念館の側には、当時の号令台が残されていました。
 右側は、元筑波海軍航空隊の彫刻家が筑波海軍航空隊の思い出と慰霊のために寄付した彫刻「かえり雲」です。
 周辺には関連する史跡が点在しています。
 余談になりますが、この日の茨城県版読売新聞には、予科練平和記念館にゼロ戦の実物大模型が展示されるとの記事が掲載されていました。
 予科練平和記念館までの道程は、高速道路を利用して約55km、航空自衛隊百里基地は約38kmなので、合わせて観光できると思います。