海上自衛隊 訓練支援艦「くろべ」見学記録


 2008年7月27日(日曜日)


 小名浜港に海上自衛隊の訓練支援艦「くろべ」が入港し、7月25日から7月27日まで一般公開されました。
 埠頭では、陸上自衛隊の96式装輪装甲車と軽装甲機動車も展示されていました。
 まず始めに、「くろべ」について、簡単に説明します。


 訓練支援艦「くろべ」について

 「くろべ」は、1989年に就航した海上自衛隊の訓練支援艦です。
 戦闘艦ではなく、護衛艦隊の対空戦闘訓練の支援を目的としているので、ミサイルや魚雷などの兵装は搭載していません。
 対空射撃訓練支援装置を搭載しており、標的用の無人航空機の発射や管制、射撃評価などを行い、模擬対空戦闘訓練を支援します。
 一般的な護衛艦と比較して、全長で約1/3、排水量で約半分ですが、前部に76mm砲、後部に格納庫やヘリコプター発着可能な甲板を装備しており、護衛艦と類似した形状をしてます。

小名浜港に停泊する「くろべ」です。
「くろべ」型 ATS"KUROBE"Class 4202「くろべ」 艦船データ
基準排水量
2,200t
特殊装置
バウスラスター一式、減揺装置一式
主機械
ディーゼル4基2軸
馬 力
9,100PS
速 力
20kt
定 員
約155名
主要兵装
62口径76ミリ速射砲×1
対空射撃訓練支援装置一式
主要寸法
101 x 16.5 x 8.5 x 4.0m(長さ、幅、深さ、喫水)
 データは、海上自衛隊ホームページ(http://www.mod.go.jp/msdf/)から転載しています。

 停泊中の「くろべ」です。
 左後方に見える潜水艦のような建造物は、アクアマリン福島(水族館)です。
 「くろべ」の右前方から撮影したものです。
 護衛艦を縮小した様な印象を受けます。
 小名浜港には、「くろべ」よりも遙かに大型の貨物船が停泊しますが、「くろべ」には、艦載砲やレーダー機器が装備されており、迫力を感じます。  護衛艦を比較して小型ですが、甲板上の見学者と比較すると大きな印象を受けます。
 ステルス性が配慮されたフェーズド・アレイ・レーダーが装備されています。
 訓練用とは言え、高度な戦闘訓練を行うために、高性能な設備が搭載されています。
 62口径76ミリ速射砲です。
 一般的な護衛艦と同じく、対艦・対空・対地用に使用できる汎用砲で、イタリアのオート・メラーラ社で開発されたものです。
 格納庫内の様子です。
 航空標的機を格納しますが、一応は、ヘリの搭載も可能で、広く確保されています。
 お土産売り場が開設されていたり、説明パネルなどが展示されていました。
 格納庫の様子です。
 後部飛行甲板には、対空戦闘訓練に使用される無人航空標的機が展示されていました。  航空標的機「チャカ」(写真手前)と「ファイアー・ビー」(写真奥)です。
 航空標的機の説明パネルです。
 航空標的機には着艦能力が無いので、海上に着水した機体を回収して、整備後に再使用されます。
 後部甲板は、ヘリコプターの発着が可能となっているので広いです。
 機関室の様子です。  食堂は休憩室として開放されており、麦茶が振る舞われていました。
 埠頭では、陸上自衛隊の「96式装輪装甲車」と「軽装甲機動車」が展示されていました。  96式装輪装甲車です。
 車内の写真撮影は禁止されていましたが、運転席や銃座にも搭乗することができました。
 運転席には、車体上面から乗車できました。
 子供たちにも人気があり、自衛官が抱きかかえて運転席に乗せていました。
 96式装輪装甲車上部から見た様子です。
 「軽装甲機動車」の向こう側では、フリーマーケット会場が開設されていました。
 奥の建物は、「いわき・ら・ら・ミュウ」です。
 「軽装甲機動車」です。  「軽装甲機動車」の運転席の様子です。
 乗用車と同じ感じです。
 軽装甲機動車の上部ハッチから見た銃座です。
 5.56mm機関銃 MINIMIが搭載できます。
 銃架はハッチごと旋回しますが、非常に軽く回ります。
 陸上自衛隊の演習の様子などが上映されていました。

 「くろべ」は補助艦艇ではあるものの、護衛艦に準じた装備が搭載されており、海上自衛隊の艦艇の様子を知るうえで参考になりました。 
 残念ながら、終了時間が迫っていたため、艦橋内などの公開が打ち切られてしまい、見ることができませんでした。
 艦艇のみの公開だと思っていたのですが、陸上自衛隊の車両も公開されていたので、予想外の収穫を得ることが出来ました。