陸上自衛隊 第6師団創立54周年・神町駐屯地創立60周年記念行事見学記録

 2016年4月17日(日曜日)


 山形県東根市にある陸上自衛隊神町駐屯地で行われた「陸上自衛隊第6師団創立54周年・神町駐屯地創立60周年記念行事」を見てきました。
 神町駐屯地には、第6師団司令部、第20普通科連隊、第6施設大隊、第6通信大隊、第6特殊武器防護隊、第6後方支援連隊のうちの主要部隊などの多くの部隊が駐屯しています。
 師団規模の駐屯地祭であり、例年は迫力ある訓練展示が行われ、様々なイベントが盛り込まれていました。

 開催3日前の4月14日午後9時26分、熊本県を震源とした最大震度7の熊本地震が発生し、4月17日現在、死者41名、重傷者211名、軽傷者883名、多くの建物の倒壊、大規模な土砂崩れなど甚大な被害が確認されています。
 被災地から遠く離れた第6師団からも災害派遣のため、4月16日現在、師団長を指揮官とした約1,050名体制で出動しました。

 全国では、地震発生後の創立記念行事の中止や延期が決定された駐屯地もありましたが、神町駐屯地は、訓練展示の中止や装備品展示の縮小など、内容の一部が変更されて開催されました。
 当日の天候予報は雨で、遠路を往復してまで見る価値は低いのですが、この状況下で開催される駐屯地祭は、見て紹介したいとの思いに駆られました。

 今回は3ページに分割して、第1ページには装備品展示、第2ページには観閲行進、第3ページには装備品展示を中心に紹介します。

 写真や画像、文面の一部を次のホームページから引用しました。
   陸上自衛隊第6師団
     http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/
   陸上自衛隊霞目駐屯地
      http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neaavn/
   防衛省・自衛隊
      http://www.mod.go.jp/index.html
   陸上自衛隊第8師団
      http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/8d/index.html

 駐屯地祭の様子を紹介する前に、熊本地震と近隣の自衛隊の状況などを簡単に紹介します。
 この日は、宮城県仙台市の霞目駐屯地でも創立記念行事が予定されていました。
 神町駐屯地は師団規模の駐屯地祭ですが、自宅から霞目駐屯地までの距離が近いこと、神町駐屯地は昨年見ていること、霞目駐屯地は前回3年前に行った時には、雪に降られてプログラムの一部が中止になったことから、今年は霞目駐屯地に行こうと考えていました。
 熊本地震の発生から2日後の4月16日午後3時40分頃、福島市渡利の上空を陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH-1J」6機が南方に飛行して行きました。
 霞目駐屯地の東北方面ヘリコプター隊が災害派遣されました。
 霞目駐屯地のホームページを確認したところ、創立記念行事を中止することが告知されていました。  第6師団のホームページには、神町駐屯地創立記念行事は災害派遣のため、訓練展示と体験搭乗は中止、装備品展示は縮小されることが告知されていました。
 当初予定されていた会場案内です。
 神町駐屯地は、第6師団の創立記念行事なので、大規模に行われています。
 昨年は、07式機動支援橋や緊急展開型衛星通信セットII型など、新しく配備された装備品が展示されましたが、今年は駐屯地創立60周年なので、特別な演出が予定されていたのかもしれません。
 防衛省が公開した報告資料によると、4月17日現在、第6師団は熊本県阿蘇地区で災害派遣活動を行っているようです。
 陸上・海上・航空自衛隊は、最大約2万6,000人体制で災害派遣活動を実施するようです。 
 災害派遣活動の状況は、防衛省、陸上・航空・海上自衛隊のホームページ、facebook、Twitterで紹介されています。
 熊本県に駐屯する第8師団もfacebookを開設しており、災害派遣の状況を公開しています。
 1週間後の4月24日には、北熊本駐屯地で記念行事が開催予定でしたが、災害派遣活動のため中止となりました。
 ポスターには、10式戦車やUH-60JAの写真が掲載されており、今年は機動戦闘車が展示されるようでした。
 熊本地震発生後に各地で予定されていた駐屯地祭は、中止や延期、開催規模が縮小されました。

 駐屯地祭当日の様子を紹介します。
 駐屯地祭に向かう途中、東北自動車道や山形自動車道では、多くの自衛隊車両と擦れ違いました。
 中には、重機や投光器などを積載したトレーラなどもありました。
 車両には、災害派遣活動と標記されており、山形県神町駐屯地の第6施設大隊や第6後方支援支援連隊の部隊名が記されていました。 
 神町駐屯地正面の桜並木です。
 今にも雨が降り出そうな曇り空でした。
 午前7時40分頃の神町駐屯地正門の様子です。
 昨年や3年前と比較すると、早朝からの開場待ちの列は非常に少なかったです。
 例年は早くから並んで、戦車体験搭乗整理券を求める人が多いようでした。
 開場前の手荷物検査所の様子です。
 開場直後の様子です。  出入口近くには師団通信システムの一部と思われる車両がありました。
 駐屯地内に止められた車両の一部です。
 見える範囲に止められた車両は、少ないように感じられました。
 駐屯地は広いので、正門から会場まで約800mの距離を歩きます。 
 一般観覧場所から見た会場の様子です。
 会場に向かって右前方向の様子です。
 遠くには重レッカが待機していました。
 昨年は、訓練展示に使用する155mm榴弾砲1門が展開していましたが、今年は戦闘訓練展示が中止されたためありません。
 会場に向かって正面の様子です。  左前方向の様子です。
 観閲席の様子です。  鉄条網が設置されています。
 中止になってしまいましたが、訓練展示の準備が進められていたようです。
 総合案内板には、イベント中止の貼り紙が貼付されていました。  装備品展示の様子を紹介します。
 オートバイ(偵察用)です。
 昨年は2台が展示されていましたが、今回は1台のみです。
 1/2tトラックや高機動車は展示されませんでした。
 銃器が展示されていました。
 9mm拳銃と89式5.56mm小銃です。  5.56mm機関銃と対人狙撃銃です。
 対人狙撃銃は迷彩塗装されています。  12.7mm重機関銃です。
 微光暗視眼鏡 JGVS-V3-Cです。  手に取って着装することができました。
 スイッチに「ON」と「IR」があるので、可視光増幅方式と赤外線方式が選択できるようです。
 真っ暗な天幕の中で、微光暗視鏡の使用体験ができました。  第1空挺団第3普通科大隊第8中隊が装備品展示を行いました。
 空挺降下も展示する予定でしたが、悪天候のため中止となりました。
 空挺傘の装備品展示や、活動状況を紹介するパネルなどが展示されていました。  偵察ボート(5人乗)です。
 昨年は偵察ボート(2人乗)も展示されました。
 看板には、災害派遣のため中止と表示されていました。
 瓦礫撤去には必要な装備なので、被災地に搬送されたのかもしれません。
 装備品展示会場です。
 野外入浴セット、戦闘装着セット、救護所用エアドームの看板が設置されていましたが、災害派遣のため中止と表示されていました。
 この装備品展示会場で唯一展示されていた装備です。  野外炊具1号(22改)です。
 昨年度に調達された新しい装備のようです。
 観閲行進に参加する車両が、会場近くの道路に駐車されていました。
 例年よりも、明らかに少ないです。
 78式戦車回収車です。
 この車両は、観閲行進には参加せず、近くで待機していました。
 子供向けの遊戯コーナーは中止されました。  雨が降り出しました。
 観閲式の開始時間まで、40分近くもあります。
 UH-1JとAH-1Sが離陸しました。  観閲部隊が集合しつつあります。
 会場後方に観閲部隊が集合を完了しました。
 全隊員が写っていますが、少し閑散としています。
 観閲部隊入場です。
 雨が降っているので、遠方の写真はボケてしまいます。
会場に整列した観閲部隊です。
福島駐屯地の第44普通科連隊は、災害派遣のため、参加していません。
 国旗の入場です。  巡閲の様子です。
 第6師団長は、災害派遣部隊の指揮を執っているので、副師団長が観閲官を務めました。
 撮影環境が悪かったので、式典の様子は省略します。  観閲式終了後、観閲部隊が退場して観閲行進の準備をします。
 後方支援部隊は、観閲式に参加した隊員が少ないようです。
 中隊旗の色や折曲銃床型の89式小銃を携行していることなどから、第6戦車大隊の隊員と思われます。  観閲行進の準備が進められています。
 次のページでは、観閲行進を中心に紹介します。