航空自衛隊 大滝根山分屯基地創設60周年記念行事見学記録

 2016年9月22日(木曜日・秋分の日)


 航空自衛隊 大滝根山分屯基地創設60周年記念行事「開庁祭」を見てきました。

 大滝根山分屯基地には、中部航空警戒管制団隷下の第27警戒群が配置されています。
 この基地は、福島県阿武隈山地の最高峰、標高1,192mの大滝根山に位置しており、全国の自衛隊施設において最も高い標高にあります。
 主要な任務は、国産三次元型レーダーや通信機器等を装備するレーダーサイトとして、国内に侵入する弾道ミサイルや航空機に対し、24時間態勢での警戒監視及び戦闘機の要撃管制としています。

 分屯基地のイベントですが、昨年はF-15JとRF-4Eによる飛行展示が行われました。
 今年は、RF-4の飛行展示やU-125AとUH-60Jによる救難展示が予定されており、記念すべき60周年なので、特別企画のサプライズもあるものと期待していました。
 当日の天気予報は、曇のち雨で午後から雨の予報でしたが、飛行展示は午前なので実行されればと期待していたものの、悪天候に急変したため、中止となってしまいました。

 今回のイベントは、厚い霧が発生したので、非常に見難い写真になってしまいましたが、それでもイベントの様子を紹介することにしました。
 画像や文面の一部は、航空自衛隊大滝根山分屯基地のホームページ(http://www.mod.go.jp/asdf/ohtakine/index.html)から転載しました。

当日予定されていたプログラムです。
悪天候のため、プログラムの一部が中止になってしまいました。
 晴天時に田村市から見た大滝根山の様子です。
 当日は悪天候のため、麓から山頂は見えませんでした。
 山頂部には、レーダードームやアンテナなどが見えますが、各施設が広範囲に分散していることが分かります。
 大滝根山分屯基地には、一般車両の駐車場は無いので、シャトルバスを利用することになります。
 シャトルバスは、田村市運動公園からJR船引駅、田村市役所常葉行政局を経由して分屯基地向かいますが、所要時間は約1時間20分もかかります。
 天気予報では午後から雨でした。
 田村市運動公園でシャトルバスに乗車した時には曇空でしたが、常葉行政局に着いた頃には雨が降り出しました。 
 シャトルバスで大滝根山分屯基地に向かう様子です。  分屯基地に到着する頃には霧が立ち込めていました。
 午前9時55分頃、分屯基地に到着しました。
 雨が降り、霧が発生し、肌寒かったです。
 初めに、分屯基地の建物内にある防衛省共済組合直営売店に向かいました。
 視界は約50mから100mくらいで、良好な時でも200m程度しかありません。
 数年前に友人から頂いた第27警戒群のワッペンです。
 直営売店では品切れになっていました。 
 装備品展示の様子を紹介します。
 トレーラ1t炊事車です。
 陸上自衛隊の野外炊具1号と同じようです。
 発動発電機 30kWです。
 移動用多重通信装置に電力を供給します。
 自活車です。
 機動展開及び災害派遣時に自活する設備を装備した車両で、最大6人まで2~3日程度自活することが可能です。
 車内の様子です。
 発電機、温水器、トイレ、シャワー、寝台、冷蔵庫、DC-ACインバータが装備されています。
 可搬型衛星通信装置(CCT120)です。
 災害派遣等に際し、司令部等との派遣先の通信網として衛星を利用し、必要な情報の共有のために音声(電話)、FAX、データ等の送受信を行います。
 移動用多重通信装置(J/TRQ-506)空中線装置です。
 青森県車力分屯基地の第4移動通信隊の装備です。
 作戦運用に不可欠となる通信回線の中断に対処するため、全国に5個の移動通信部隊が配置されており、不測の事態に備えています。
 この装置は、電波の性質を利用した比較的長距離~中距離のデジタルデータ回線を臨時に構築することができます。
 空中線装置は2台が展示されていました。
 後方には、通信装置を搭載した車両が見えますが、撮影を忘れてしまいました。
 対空機関砲(VADS)です。
 松島基地の第4基地防空隊の装備です。
 81式短距離地対空誘導弾射撃統制装置です。
 松島基地基地復興感謝祭でも展示されていた特別塗装です。
 目視照準具です。
 精密電子機器ですが、過酷な環境下での使用も想定されているので、雨などはものともしません。
 擬製弾で「welcome」と表示されていました。  81式短距離地対空誘導弾発射装置です。
 93式近距離地対空誘導弾です。
 郡山駐屯地の第6高射特科大隊からの展示です。
 高機動車です。
 福島駐屯地の第44普通科連隊からの展示です。
 軽装甲機動車です。  オートバイ(偵察用)です。
 5.56mm機関銃です。  対人狙撃銃です。
 89式5.56mm小銃です。  体験試乗会場の様子です。
 体験試乗は、82式指揮通信車1両と高機動車1台で行われました。
 82式指揮通信車が戻ってきました。
 霧の中から前照灯のライトが現れた後、車体が現れました。
 体験試乗は、郡山駐屯地の第6特科連隊が行っていました。
 高機動車です。  あっという間に霧の中に消えてしまいました。
 体育館では、ブルーインパルス紙飛行機を飛ばそう!のイベントが行われていました。  DVD上映が行われていました。
 上映スケジュールですが、パイロットへの質問コーナーも予定されていました。
 DVDの動画は、航空自衛隊、防衛省・自衛隊のホームページやYouTubeからも見ることができます。
 対空機関砲(VADS)による模擬射撃展示が行われました。
 模擬射撃訓練は、天候により変更の可能性ありとプログラムに表示されていましたが、中止とはなりませんでした。
 VADSに被せられていたシートを広げています。  どこから見るのが最良なのか判断できなかったので、小高い場所から見下ろすことにしました。
 模擬射撃展示の開始です。  模擬射撃展示では、300発の空砲が使用されました。
 弾薬箱1箱には、20mm空砲が100発入っています。
 ハンドルを巻き上げて、弾倉に空砲を装填しています。
 弾薬の装填作業なども含めた、射撃までの一連の動作も展示されました。
 射撃準備が整いました。
 射撃の様子ですが、300発の空砲をあっという間に撃ち尽くしました。
 この写真は画像補正して、可能な限り霧を除去してみました。
 模擬射撃展示の終了です。
 敷地内には、土嚢が積み上げられて銃座が構築されていました。  トーチカのような施設もありました。
 内陸深くの山奥に立地するので難しいと思えますが、有事には工作員の襲撃への備えもあるようです。
 装備品展示会場の様子です。
 晴天であれば、山頂から太平洋が見渡せるようですが、霧では景色を楽しむこともできないので、山頂行きのシャトルバスの乗車は諦めました。
 天候が回復する見込みは無く、救難展示も中止となりそうなので、午前11時35分を以って撤収することにしました。
 今回は悪天候で残念な思いをしたので、また行きたいと思います。
 以上で大滝根山分屯基地開庁祭のレポートを終了します。