今回紹介する「防衛糧食陸型III シチュー&ライス」は、東日本大震災が発生の翌年に陸上自衛隊広報センターの売店で購入したものですが、賞味期限を迎えたことから、試食してみることにしました。
震災発生直後は、多くの商店が営業を停止しており、営業していたとしても商品が入荷しないため、食料品の入手には苦慮したので、災害発生に備えた非常食の備蓄の必要性を感じていました。
購入価格は1,000円程度だったと思いますが、非常食として適しているのか試用の目的がありました。
防衛糧食とは表示されていますが、実際に自衛隊で戦闘糧食として代用しているものなのかは分かりません。 |
|
|
|
防衛糧食陸型IIIです。
他には、カレーや牛丼があるようです。 |
AH-1Sの後方からの写真ではインパクトが無く、手抜きのような感じがします。
朝霞防衛共販と表示されているので、他で販売されているのかは分かりません
右側はパッケージの裏側は説明です。 |
|
|
内容全てです。
レンゲとウェットティッシュも入っています。 |
左側 : 白米、内容量は200gです。
右側 : ビーフシチュー、内容量は180gです。
栄養価は販売元のホームページで公開されています。 |
|
|
発熱溶液と発熱剤です。
MREのヒーターとは異なり、水ではなく、専用の発熱溶液を使用します。 |
発熱量は非常に高く、アルミニウムを化学反応させて発熱させます。
無害ですが、発熱溶液はアルカリ性を帯びているようです。 |
|
|
使用方法はパッケージ裏側に記載されています。
外袋の中央下に発熱剤を置き、その上に食品を置いた後、発熱溶液を注ぎます。 |
直ぐに発熱が始まります。
発熱量は非常に高いので、火傷に注意する必要があります。
微量の水素ガスが発生するようなので、室内での加熱は避けるべきです。 |
|
|
長期保存用の白飯なので仕方が無いことだと思いますが、市販のパックご飯を湯煎した方が美味しいです。
硬めなので、時間を掛けて余熱で暖め、具を掛けてご飯を柔らかくしてから食べると美味しく頂くことができます。
|
白米にビーフシチューをかけた状態です。
大きな肉、人参、ジャガイモが入っています。
市販されている最低価格のレトルト食材と比較すれば、内容や味付けなどは、遙かに上質だと思います。
|
個人的評価 |
防衛糧食陸型III シチュー&ライス |
★★★★★ |
ご飯はやや硬めですが、時間をかけて暖めれば美味しいと思います。
価格相応の味付けですが、具は大きく、安っぽさを感じません。
曖昧な表現ですが、市販のレトルト食品と比較して、最低でもなく、最高でもなく、中間くらいのランクのように思えます。 |
評価は★★★★★が最高、★が最低ですが、あくまで個人的な主観によるものです。
最低限の食事として、容認できる味覚であるかという視点から評価を下したので、評価は甘いと思います。 |
|
アメリカ製のMREと美味しさを比較するのは適切ではなく、評価が高くなってしまいます。
この商品は、価格を抑えて味付けや品質を低下させているような感じは受けません。
味付けは市販のレトルト食品と差異は少なく、食べ慣れた味覚に近いものになっています。
成人男性が労務作業を行う場合には、物足りなさを感じるので、補食品が必要になると思います。
市販されている非常食に、自衛隊のお土産としてのパッケージに変更されたものですが、保存期間は製造後から3年6ヶ月もあるので、災害発生時の非常食に適しています。
東日本大震災が発生した当時は、福島県いわき市の沿岸部近くに住んでおり、被害を目の当たりにしてきました。
首都圏と繋がる主要道路は、津波の被害で遮断され、その上、福島第一原子力発電所の事故が発生したため、いわき市にはガソリンや食料品などの輸送が停止しました。
当時は非常に寒い季節だったので、温かい食事が食べられた時には、非常に有り難く感じました。
その体験から感じたことですが、美味しいとされる保存食だったとしても、同じ種類の冷たい食事を食べ続けると嫌気が差してくるので、非常食を備蓄する場合は種類を多くして、3食から6食に一度くらいは、少しは価格が高くても温かい食事が摂れるように備えたいところです。
家庭での災害発生時の食料備蓄は、最低で3日分、可能であれば1週間分が推奨されています。
1世帯4人として、1日分12個で約12,000円、体積も大きいので、この商品だけで1週間分を保管することは、費用や保管場所だけでも負担になります。
電気、ガス、水道の供給が停止した地域では、復旧までに数日から数週間も要しているので、カセットコンロなどの料理器具もあればと思います。
普段の食事としての米や若干の食料は買い置きをしてあるので、少量の缶詰や乾パン、ミネラルウォーターなどの非常食を賞味期限がズレるように購入して、賞味期限が近付いたものは、普段の食事などで消費しています。
この商品は、調理器具を必要とせずに温かい食事を摂ることができるので、非常食以外にもアウトドアの機会などで重宝すると思います。
製造元のホリカフーズ株式会社では、この防衛糧食とパッケージは異なりますが、同じ商品をネット販売しています。
http://www.foricafoods.co.jp/index.html |
|