戦闘糧食試食(番外編)
防衛糧食陸型I カレーライス


 今回紹介する「防衛糧食陸型I カレーライス」は、陸上自衛隊広報センターの売店で買ってきたものです。
 今回は災害時の環境下に近い、冬日の屋外作業の機会に合わせて試食してみました。

  
 防衛糧食陸型I カレーライスです。
 他には、牛丼やシチューがあります。
 この商品の賞味期限は、製造日から常温で3年6ヶ月です。
 購入時には、賞味期限が3年4ヵ月残っていました。 
 内容全てです。
 レンゲは個別包装されて、ウェットティッシュも入っており、MREには無い配慮がされています。
 左側 : 白米の内容量は200gです。
 右側 : ビーフカレーの内容量は180gです。
 発熱溶液と発熱剤です。
 MREのヒーターとは異なり、水ではなく、専用の発熱溶液を使用します。
 発熱量は非常に高く、アルミニウムを化学反応させて発熱させます。
 発熱溶液は無害ですが、アルカリ性を帯びているようです。
 この写真と左側の写真は、前回の試食で撮影したものを使い回しているので、同梱されていた発熱剤の有効期限は2021年11月になります。
 使用方法はパッケージ裏側に記載されています。
 外袋の中央下に発熱剤を置き、その上に食品を置いた後、発熱溶液を注ぐと直ぐに発熱が始まります。
 発熱量は非常に高いので、缶コーヒー1本くらいなら一緒に温めることができそうです。
 微量の水素ガスが発生するようなので、室内での加熱は避けるべきです。
 約30分温めれば出来上がります。
 上手く撮影できなかったので美味しそうには見えないかもしれません。
 ごはんの容器にカレーが入り切れないので、食べながら足していくことになります。
  個人的評価
防衛糧食陸型I カレーライス ★★★★★  ご飯はやや硬めですが、時間をかけて暖めて、カレーをかけて柔らかくしながら食べれば美味しいと思います。
 カレーは中辛程度で食べ易く、市販のレトルトカレーと比較すると、中間クラスの味付けのように思えます。
 戦闘糧食と比較することは適切ではありませんが、敢えて比較すれば、贅沢な感じがします。
 評価は★★★★★が最高、★が最低ですが、あくまで個人的な主観によるものです。
 最低限の食事として、容認できる味覚であるかという視点から評価を下したので、評価は甘いと思います。

 今回は、3月中旬の屋外で試食しました。
 東日本大震災が発生した当時も、朝晩の冷え込みは厳しく、昼間も冷たい風が吹きつけていたと記憶しています。
 寒空の下で冷えた体はなかなか暖まらず、暖かい食事が摂れた時には、ふと落着くことができました
 寒い中での暖かい食事は、士気を維持する上では重要な要素になると思います。

 これよりも美味しいレトルトカレーは幾らでもあり、以前紹介したよこすか海軍カレーの方が美味しいです。
 過酷な環境下であれば、仕方が無いことと割り切るしかないのですが、同じ保存食が続くことは苦痛に感じると思います。
 非常食には、缶詰やアルファ米、クラッカーなど安価で手軽な物を種類を変えながら、何食かに1回は暖かい食事が取れれば、食事への苦痛が和らぎ、費用も抑えることができると思います。

 レトルトカレーとパックご飯で1、000円の価格は割高ですが、長期保存ができることと、電気・ガスが寸断した場合でも暖かい食事が摂れることを考慮すれば、災害に備えた保存食の一部として選択する価値は十分にあると思います。
 カレーは程良い辛さとスパイスの香りが食欲を増進してくれますが、食には個人の好みが分かれるところです。
 楽天市場では、この戦闘糧食と同じカレーのみが380円程度(送料を除く)で販売されているので、安価に試すこともできます。

 製造元のホリカフーズ株式会社では、防衛糧食とパッケージが異なる商品をネット販売しています。
    http://www.foricafoods.co.jp/index.html