SMOKEY’S GUN FACTORY
27mm Kampfpistole





1 実銃について

 生産国   ドイツ WALTHER社
 製造開始 1942年
 口径      27mm
 全長     245mm
 本体重量 1400g

 「Kampfpistole」を和訳すると戦闘拳銃の意味
 従来の信号拳銃を戦闘時にも使用できるように、ライフリングと銃身の延長などの改良を加え、対人用榴弾の発射を可能にしたもの。
 専用の対人榴弾を約90メートルの射程で射撃できたが、炸薬量はドイツ軍の代表的な39式柄付手榴弾よりも少なく、戦闘時にはあまり使用されなかった。
 信号拳銃との区別のため、銃身に「Z」の刻印がある。
 さらに、対戦車用成形炸薬弾の発射を可能に改良したものが、Sturmpistole(突撃拳銃)である。

2 エアガンについて

 販売元   SMOKEY'S GUN FACTORY
          http://smokeys.main.jp/smokeys-gf/
 価格    組立キット 19,000円 完成品 28,000円
          CRAFT APPLE WORKS(http://www.caw.co.jp/)の
          27mmミニモスカートが必要 1個 5,023円(別売)
 口径     27mm
 全長    240mm
 本体重量 未計量

3 概要

 第2次世界大戦中のドイツ軍が使用した信号拳銃で、戦闘時には銃口先端に手榴弾型の対人用榴弾を取り付けて発射できました。
 この「Kampfpistole」を、SGFがCAWの27mmミニモスカートを使用して、グレネードランチャーとして使用できるように設計したエアガンです。
 数少ないWWⅡドイツ軍のエアガンの中で、唯一、サバイバルゲームで使用できるグレネードランチャーと言えます。
 SGF社のオリジナル商品で、組立キットと完成品の2種類があり、HP上から購入できます。
 ミニモスカートは、装弾数の違いにより「18P」と「36P」の2種類があります。
 18Pは、BB弾18発が装填でき、装弾数を少なくして飛距離を上げています。
 36Pは、ガスチャージ量を減らし、装弾数を36発に増やしています。
 どちらも全長は108mmで40mmモスカートと同じです。
 初速は、18Pに6発装填した状態で射撃した結果、約35m/sでした。(平温時)
 36Pに36発装填して発射した場合には、さらに低下すると思います。
 発射音は40㎜モスカートよりも甲高く、元職業軍人によれば「22口径の銃声なみ」ということでした。

4 組立てについて

 価格が高いので組み立てキットを購入しました。
 トリガー、ハンマーなどの一部の部品は金属製で、それ以外はプラスチック製です。
 購入前には、プラモデルをイメージしていましたが、実際に組み立ててみるとプラスチックは中に気泡が入っていたり、仮組みをすると銃本体右側と左側の部品の大きさが異なったり、銃身部品がピッタリと噛み合わないなど、品質も精度も低レベルです。
 ヤスリで削ると比較的柔らかい素材に感じられたので、ゲームで使用中の破損が心配されます。
 完成しても、独特のプラスチックの質感から、手に取ると安っぽさを感じてしまいます。
 組立てには、ニッパー、カッターナイフ、接着剤などが必要ですが、できる限り完全な状態に組立てるために
   田宮模型 ポリエステルパテ
   田宮模型 アクリル塗料 ガンメタリック
   筆、サンドペーパー
を購入して使いました。
 組み立ては、説明書の通りに行うと完成しません。(多分動作しない)
 仮組みをして、噛み合わないところを少しずつ削り、足りないところにパテを盛って仮組みして削る。
 この作業を繰り返して微妙な整形をする必要があります。
 パテ盛りした部分の色がプラスチック素材と異なってしまうので、稼働部や接合部以外の必要な部分に金属色を塗装します。
 幸い塗料のノリは悪くない素材でした。
 動きが渋いので内部も研磨し、グリスアップも必要です。

5 感想

 水平射撃での有効射程距離は10メートル程度です。
 この距離であれば、程良く発射弾が広がり、弾幕効果が期待できます。
 それを越える距離は、目測で仰角を付けてますが、サイトは無いので仰角はカンが頼りになります。
 遠距離目標への曲射は、装弾数が少ないので命中させるのは難しく、さらに、初速が遅いために風の影響を受け易く、使用環境によっては命中率が低下します。
 「P18」から発射される18発のBB弾が描く軌跡は、発射弾数が少なくて貧弱です。
 「P18」と「P36」は飛距離が異なると説明されていますが、大差はありません。
 弾幕効果が必要とされる兵器なので、発射弾数の多い「36P」の方が有利だと思います。
 レギュレーションが許し、インドア戦での使用ができるのであれば、射程距離の短さは弱点にならず、弾幕効果、取り回しの良さから威力を発揮します。
 また、命中しなくても発射音と弾幕効果によって、複数の相手を遮蔽物に身を隠させ、一時的に射撃体勢を崩すことができます。
 40mmグレネードランチャーは各国で使用されており、これに近い口径のものも使用されています。
 しかし、27mmという口径はKampfpistole以外に思い付かないのですが、これを発売するために27mmのミニモスカートを発売したのでしょうか?他に実銃を元にした商品はできるのでしょうか?不可思議です。(OICW、XM307?無理だと思います。)

6 結論

 完成品とモスカート2本を購入して約38,000円。高価です。
 モスカートは1発あたりの価格が高く
  27mmモスカートは、5,023円(CAW社通販価格)
  40mmモスカートは、78Pで同価格、165P、180Pでも 7,392円
で価格差は無く、40mmの方が装弾数、飛距離ともに優れています。
 ミニモスカートの利点は、取り回しの良さしか残されていませんが、Kampfpistoleは小型軽量で片手で使用できるので、この利点を生かしていると思います。
 このエアガンの性格上、サブウェポンとして使用することになります。
 スナイパーのサブウェポンと使用するのであれば、連射機能を備え、価格、命中率、射程距離、携帯性などが優れた、東京マルイの電動ハンドガンが有利だと思います。
 私はモーゼルKar98k(ボルトアクションライフル)の副武装の一つとして購入しましたが、射程が短い、発射音が大きいなどの理由から、フィールドでの使用は適さないと判断しました。(無力ということではありません。)
 しかし、インドア戦では弾幕効果が発揮できること、取り回しが良好なこと、壁などの遮蔽物に身を隠して次弾を装填できることなどから、有効な兵器として使用しています。
 WWⅡドイツ軍の兵器に固執するならば、モスカートを使用できる兵器は、他にパンツァーファウストと50mm迫撃砲しかありません。
 どちらも個人兵器としての使用は難しいので、グレネードランチャーとして使用できるものは、Kampfpistoleしかありません。
 M203やミニランチャーを取り付けた電動ガンを相手するには、総合的に見れば不利なことは明らかです。
 ドイツ軍装をしているか、軍装に固執せずメイン・サブウェポンが充実し、これまで指摘した点を考慮したうえで、利点を発揮できるのであれば、購入を検討してもよいと思います。
 最後に、酷評をしましたが数少ないWWⅡドイツ軍の兵器中でKampfpistoleを販売していただいたSGF様には感謝します。

追加
 CRAFT APPLE WORKS社からも「Kampf pistole」が発売されることになりました。

大きさの比較

上 カンプフピストーレ
下 東京マルイ電動グロック18C

一回り大きいですが、ミニモスカートを装填してもG18Cよりもはるかに軽く、取り回しは良好です。
重量は一般的なガスガンのマガジンと同等です。
写真のカンプフピストーレは、ガンメタリックで塗装してあります。

銃身を下げた状態

トリガーガードの下のレバーを前方に押せば銃身が下がります。
SGFが「実銃に忠実な外観と構造」、「リアルなアクション」と説明する動作が楽しめます。
ミニモスカートを装填した状態

ミニモスカートを装填して前方見た状態です。
ミニモスカートにはBB弾を装填していません。
ミニモスカート

右 36P(BB弾36発装填)
左 18P(BB弾18発装填)

全長は両方とも108mmと同じですが、ガスタンクの容量が異なります。
40mmモスカートと全長は同じですが、比較するとかなり細身です。
上部の銀色の部分に、BB弾が装填されます。