ショウエイ
MP44
(電動メカボックス内蔵)




1 実銃について

 生産国      ドイツ
 製造開始  1944年
 口径     7.92mm
 装弾数      30発
 全長      940mm
 本体重量  5,21kg

 ドイツが開発した世界初の突撃銃。
 ドイツ軍は、歩兵戦術の変遷から、兵士個人が携行可能な自動火器を必要とした。
 ドイツ軍の標準火器であったKar98kは、ボルトアクションライフルのため、近距離での火力は短機関銃に劣った。
 短機関銃は、市街戦などでは威力を発揮したが、拳銃弾を使用するために射程距離は短く、開豁地では苦戦を強いられた。
 しかし、ライフル弾は射撃時の反動が大きく、個人用の自動火器の開発には難点があった。
 ドイツでは射撃戦が多くの場合、400m以下で行われていことを分析し、装薬量を減らして連射時の操作性を向上をさせた短銃弾を開発し、1942年に、この銃弾を使用する「MKb42」が完成した。
 この銃は、遠距離ではセミオートで精密射撃が行え、近距離ではフルオートに切り替えて制圧射撃が行えた。
 この「MKb42」に改良を加え、大量生産をしたものが「MP44」である。

 ※ MP44については、このHPの「Operation 1 WWIIドイツ軍装(番外編)」でも説明しています。

2 エアガンについて

 販売元    有限会社 松栄製作所
 価格        絶版
 口径        6mm
 装弾数       不明
 全長      940mm
 本体重量    未計量

3 概要

 このMP44は、かつてショウエイから発売されていたMP44の外装キットに、マルイの電動メカボックスを組み込んだものです。
 現在は絶版されており、今後も再販される予定は無い模様です。
 私は中古品を購入したので、詳しい説明はできないところがありますが御了承下さい。

(1) 品質

 品質は、モデルガンメーカーでもあるショウエイ製なので、良好です。
 外見から目に触れる材質は、金属製パーツか木製ストックなので、剛性も高レベルです。
 鋼製部品を使用しているために非常に重く、高級感も演出しています。
 計量はしていませんか、タナカKar98kと比較しても、かなり重いです。
 モデルガンではないので、ボルトが稼動しないなど、再現されていない部分もありますが、それを差し引いても良くできていると思います。
 タナカのKar98kと比較すると、木製ストックの質感は非常に良のですが、サイト等の作りは見劣りする様な気がします。
 現在ショウエイから発売されているエアーブローバックモデルは、品質が向上しているようです。
 木製ストックや金属部品は、ゲームでの使用で傷がついても、プラスチック部品に傷がつくのと異なり、良い感じの使用感が出てきますが、鋼製なので、錆に注意しなければなりません。
 ストックは実銃と同じく、ピン1本で固定されており、簡単に取り外すことができます。
 そのため、ストックに若干のグラつきが気になります。
 ストック内部にはバッテリーが内蔵されおり、交換作業は簡単に行えます。
 ハンドガード周辺等の取り付けが弱いような感じがします。

(2) 射撃

 メカボックスはバージョン2を使用しており、信頼性には問題ありません。
 メカボックスに限っては、補修部品の入手も容易で、各社から豊富に販売されているカスタムパーツを使用することができます。
 本体が金属製なのでメカノイズなどが響き、射撃音は高めです。
 集弾性が劣るので、何らかのカスタムが必要かもしれません。
 非常に重いので、長時間の使用は辛いものがあります。
 マガジンが長いので、伏せて射撃姿勢をとるとマガジン底部が地面に接触してしまいます。
 視線を高くしなければならず、ブローンには適しません。
 可変ホップダイヤルは、本体右側のダストカバーを開いてダイヤルを回して調整するので、簡単に調整できます。
 カバーは本体の一部のように見えるので目立ちません。

(3) マガジン

 マガジンは改造して、マルイの多弾倉マガジンを組み込んでいます。
 マガジンが2個しか手元にないので、多弾倉に改造しなければゲームでの使用に耐えず、改造することにしました。
 多弾倉化したマガジンの装弾数は約900発です。
 900発を装弾した金属製マガジンは、結構な重さになりますが、フレームが硬質製なので、本体への負担は感じられません。
 全弾発射するには、ゼンマイを数回巻き直さなければなりません。
 マガジンと銃本体に装填すると、若干の緩みがあり、グラつきがあります。
 マガジンは特に錆やすいようなので、保管には注意が必要です。
 マガジンは、現在発売されているエアーブローバックモデルとは、形状が若干異なると聞いたことがあるので、互換性があるのかは定かではありません。
 使用するには、改造が必要かもしれません。
 絶版されているので、予備マガジンの購入できないなどの重大な問題があります。
 現在、ショウエイにはエアーブローバックモデルのマガジンの在庫が無いので、予備マガジンが購入できませんが、再生産されたら購入して互換性を確認したいと思います。
 マガジンは、MP44用マガジン専用ポーチには若干大きく、収納すると完全に蓋が閉まりません。
 メーカーによる個体差があるかもしれません。
 また、マガジンポーチの蓋を固定する革ベルトは外しにくいです。

(4) その他

 本来であれば、AKバッテリーを使用するのですが、このエアガンは木製ストック内部を改造して、ラージクラスのバッテリーを内蔵しています。
 ただし、バッテリーを分解して組み込んであるため、ストックから取り外すことができず、バッテリーが劣化すればラージバッテリーを分解して組み込みするか、取り外し可能なAKバッテリーを使用するか選択を迫られます。
 純正のスリングは 6,090円と高めです。
 そのため、写真のMP44は、タナカKar98k用のスリングを取り付けました。

 エアガンに使用される金属は、一般的にはアルミ合金、亜鉛合金などが使用されています。
 アルミ合金は錆の心配は無く、亜鉛合金は錆には比較的強いのですが、このエアガンは鋼材が使用されているので、錆に注意しなければなりません。
 使用後には十分な手入れが必要で、防錆剤を塗り、ビニール袋などに入れて湿気や空気を遮断して保管する必要があります。

4 中古品購入の経緯

 MP44は、大戦末期のドイツ軍に配備された突撃銃です。
 第二次世界大戦時のドイツ軍のエアガンは、販売されている種類が少なく、しかも高価なので頭を痛める問題です。
 Kar98kは、入手が容易なものの、電動ガン相手には劣勢は否めません。
 好みの問題ですが、MP40は大戦末期まで生産が続けられているものの、M44迷彩服には馴染まないようにも思えます。
 現在ショウエイから発売されているMP44は、エアーブローバックモデルで、134,400円と高価です。
 更にエアタンクなどを別に購入する必要があります。
 このエアガンの射撃映像を見たことがありますが、射撃時の発射音、リコイルの感じは魅力的です。
 エアタンクの使用は、チームによってレギュレーションを規制するところがあります。
 実際にゲームでの使用になると、操作性などの面で電動ガンが有利です。
 今後の銃刀法改正によって、もしもエアタンクやグリーンガスの使用が規制されることになれば、外装キットが再販されるのでは?と期待もしています。
 エアーブローバックモデルを電動ガンに改造するとなると、本体価格+部品代+加工代金と非常に高価になってしまいます。
 稀に、MP44外装キットが、「Yahoo!オークション」に出品されることがありますが、落札価格は高額になるようです。
 私は、MP44外装キットの中古品をネモトガンワークスから購入し、メンテナンスやマガジンやバッテリーなどの改造を施してもらいました。
 エアーブローバックモデルの取り扱い説明書を見ると、多くの部品に互換性があるようにも見えるので、補修部品の入手は可能なようにも思えます。

5 結論

 このエアガンは、万人向けではありません。
 MP44は、大戦末期のドイツ軍装を再現するには、是非とも手に入れたいところです。
 ドイツ軍装備をしていなければ、購入する意味がありません。
 ゲームで使用するのであれば、安価で、軽量な電動ガンで、命中精度やメンテナンス性が優れ、メーカー保証が受けられ、各種パーツが充実したものが薦められます。
 しかし、MP44には、このどれもが該当しません。
 既に絶版されているので、パーツの入手も困難です。
 また、各種サイト、サイレンサーなどの外装品を取り付けることはできないので、システムアップはできません。
 重量が重く、取り回しが悪いものの、一般的な電動ガンの性能を持つので、サバイバルゲームでは、現用装備相手に劣勢を強いられることはありません。
 現在、MP44の新品を入手するには、エアーブローバックモデルを購入するしかありませんが、メーカーに在庫が無い場合には、気長に再販を待たなければなりません。

Kar98kとの比較

写真上 タナカKar98k
写真下 MP44

MP44はKar98kよりも全長が短いものの、重量は、はるかに重いです。
ストックの状態

写真上 タナカKar98k
写真下 MP44

MP44のストックは茶色味が強いです。
Kar98k(初期型)は黄色味が過ぎて不自然ですが、MP44は実銃感が演出されています。
ストックを外した状態

本体とストックは、ピン1本で固定されています。
ストックには、Miniバッテリーをが内蔵されます。
ピン1本での固定なので、ストックのグラつきが気になります。
本体左側の状態

トリガー右側に安全装置があります。
スイッチを一つ右前にスライドさせると単射、さらに一つスライドさせると連射に切り替わります。
実銃はレバーを回転させる方式なので、異なります。
コッキングレバーは本体に直付けになっており、安っぽく感じます。
ホップダイヤルの状態

写真左 ダストカバーを閉じた状態
写真右 ダストカバーを開いた状態

本体右側にあるダストカバーを開くと、ホップアップダイヤルがあるので、調整は簡単にできます。
マガジンポーチにマガジンを収納した状態

マガジンポーチは、サムズミリタリ屋製です。
右側のポケットにマガジンを収納してありますが、ポケットの深さが少し足りないので、蓋を完全に閉じることができません。
ポケットの幅も丁度なので、マガジンの取り出しは、きつめです。
私は予備マガジンを雑嚢に入れて携行しています。