1 実銃について 生産国 ドイツ WALTHER社 製造開始 1938年 口径 9mm 装弾数 8発 全長 215mm 本体重量 940g ドイツが生んだ傑作と評価される拳銃。 第二次世界大戦前の1938年、ドイツ陸軍に制式採用された。 ダブルアクションなど優れた機構を備えたうえ、命中精度も高い。 部品数の削減、簡略化した構造により生産性が高く、大量生産されて前線に配備された。 また、信頼性も高く、極寒のロシア、灼熱の北アフリカでも問題なく作動したと言われる。 戦後は若干の改良を加え、「P1」の名称で再生産されて、再軍備した西ドイツ軍に配備された。 半世紀近くも、ドイツの軍用拳銃に使用されたことからも、基本性能の優秀さが証明されている。 2 エアガンについて 販売元 マルゼン 価格 18,690円(予備マガジン 3,360円) 口径 6mm 装弾数 12発 全長 215mm 本体重量 720g 3 概要 国内では知名度の高い「ワルサーP38」。 この銃は、東京マルイからエアコッキングガン、マルシンからは固定スライドガスガンが販売されています。 ガスブローバックガンを販売しているのは、マルゼンだけです。 マルゼンでは、銃本体が黒色の「act41」と、銀色の「ac40.s」の2種類が販売されています。(掲載写真はact41です。) マルゼンのP38は、ワルサー社との正式契約によって、実銃の部品図を元に設計されたと言われており、実銃に忠実で、正規の打刻印が入っています。 4 機能 APSを世に送り出したマルゼン。 販売しているエアガンの種類は少なくいのですが、この高い技術と精度が生かされていると信じて、同社のP38を購入しました。 (1) 品質 プラスチック製ですが、スライドの表面などは細かくザラついたような感じの鋼鉄の質感が表現されており、安っぽい感じがしません。 手にした感じも重量感があって質感は良好です。 トリガー、ハンマー、安全装置のレバー、サイトなどの表面部品の一部に、さり気なくメタルパーツを使用しているのが、考えられた設計と感じられます。 グリップのプラスチックの質感が異なりますが、実銃のベークライトの感触を再現する配慮かと思います。 (2) 射撃 取扱説明書によれば、0,63Jということなので、初速は79m/sくらいになります。(実計測はしていません。) ブローバック機能による反動と発射音は、良好な感触がします。 命中精度は、若干のバラつきが気になります。 中距離以上での精度は、ホップの利きが甘く、不満が残ります。 10メートル先の標的に向かって射撃をすると、弾道が微妙に弧を描いて下がるような感じがします。 精密射撃には向きませんが、ハンドガン戦には許容範囲なレベルかと思います。 初速を高めるなどのチューンナップを施して、命中精度を上げることも可能かと思いますが、メーカー修理ができなくなってしまうので、手を加えずに使用しています。 (3) スライドストップ機構 マガジン内のBB弾を打ち尽くすと、スライドが後退した状態で止まる機能を備えています。 マガジンの交換を教えてくれる便利な機能ですが、作動しないことも多いです。 ハンドガンの残弾数くらいは数えているべきなのでしょうが、ゲームに熱中すると忘れてしまいがちなので、確実に作動してくれれば、有り難い機能です。 スライドは、トリガー右上付近にあるレバーを親指で操作できるので、銃を持ち替える必要がなく、簡単に元に戻すことができます。 (4) ホップ機能 可変ホップ機能が装備されています。 ホップ調整は、スライドを引いて6角レンチを入れて調整ネジを回して調整します。 数発射撃をして、この方法で微調整を繰り返しすことになるので、調整作業は面倒です。 ホップが利きにくいのが、この銃の大きな欠点だと思います。 (5) マガジン マガジンからガス漏れがするとの報告があります。 私はマガジンを5本持っていますが、今のところガス漏れはありません。 こうした報告がされている以上、使用には不安が残ります。 マガジンへの装弾は、マルイのBB弾ローダーが使用できるので簡単に行えます。 (6) その他 マルゼンの商品は、箱出しで油がべっとりだと聞いたことがありましたが、実際にその通りでした。 購入後には、潤滑油を拭き取る手間を掛けさせられます。 もっとも、箱を開けてエアガンに錆が浮いていたらショックですが。 5 第二次世界大戦時のドイツ軍の使用拳銃 拳銃は下士官、機関銃手、後方部隊などに配備されており、一般兵は装備していませんでした。 ゲームでハンドガン戦を行うのであれば、何らかのハンドガンの購入を迫られます。 WWⅡドイツ軍装に固執するならば、P38以外の選択肢は タナカ ルガーP08 マルシン モーゼルM712 などになります。(捕獲兵器などを除く) 以下簡単に説明します。 ルガーP08 WWⅠ前に制式化され、WWⅡ中も生産が継続され、海軍や後方部隊などで使用されていました。 トグルジョイントという給弾機構を持ち、独特の給弾動作をします。 銃身長の違いよる3種類が販売されており、木製ストック、スネールマガジン(50連多弾倉)のオプションパーツもあります。 将校はP38、下士官はP08を好んだらしいです。 モーゼルM712 独特の形状は、その名の通り1896年に制式化された「M1896」の流れを組むものです。 連射機能を備えており、ストックを取り付けて短機関銃のようにも使用できました。(エアガンには連射機能はありません。) 主に武装親衛隊が使用していました。 6 ホルスター イーストAでは、P38専用のホルスターを販売しています。 入手が容易な同社の商品を購入しましたが、品質、縫製、どれをとっても非常に良くできています。 黒塗りに光沢がありすぎて、軍装に似合わないくらいです。 欠点は、サイズが丁度で革が硬く、エアガンを入れるのに、きついことです。 対策として、市販の皮革保護剤を塗り、革を柔らかくしてからエアガンを入れて蓋をして放置したところ、革が柔らかくなり、若干伸びて使い易くなりました。 皮革保護剤は、スプレー式の保湿成分の入ったものが最適でした。 軍装品販売店でも、外国製のP38用レプリカホルスターが販売されています。 7 結論 評価は10点満点中7点といったところでしょうか。 厳しい評価ですが、期待して購入しただけに残念です。 全体的に完成度は高く、非常に良くできているのですが、少ない不具合が目立ってしまい、私個人としての評価を下げてしまいました。(気に入って使用している銃ですが。) ゲームに使用すると命中精度や飛距離が若干劣ると感じるので、ホップ機能を中心に改良できれば、かなり違った性格を表すと思います。 問題点を解消し、さらに精練された改良版を発売して欲しいです。 ゲームで使用するハンドガンであれば、東京マルイの電動ハンドガンは、命中率、飛距離、装弾数とも優れ、寒くても確実に稼働するので、こうした点での評価は最高と考えていますが、トリガーを引いた感触がスイッチを押すような感じで、リコイルもしないので射撃が面白くない(味気ない)です。 そうした考えがあれば、ガスブローバックガンを選択することになりますが、P38以外にグロック、ベレッタ、ハイキャパなど魅力的なものが数多くあります。 装弾数の少なさを気にしたり、ライトやサイレンサー、各種サイトを取り付ける考えがあれば、P38には取り付けることが難しいので選択肢からは除外されます。 P38は個性的な銃なので、個人的な思い入れがある場合のみ、購入の選択肢に入ると思います。 WWⅡドイツ軍の兵器に固執するならば「買い」ですが、タナカのルガーP08も気になる存在で競合すると思います。 なお、「ac40.s」は、実戦配備されていません。 |
スライドを引いた状態 1弾目を発射する前にスライドを引きます。 弾倉内の弾を全て打ち尽くした後は、この状態でスライドが止まります。(止まらないこともあります。) スライドは、トリガー右上にあるレバーを下げれば戻ります。 |
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ハンマーを引いた状態 ハンマーを引いてシングルアクションで射撃できます。 トリガーを引くと、ハンマーがマガジンのバルブと連動するボタンを叩くことで、ガスを放出し、BB弾が発射されます。 残弾表示を示すピンが付いていますが、ダミーなので機能しません。 |
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可変ホップの調整方法 スライドを引いて、バレル上部にあるネジを六角レンチで回して調整します。 写真ではネジにレンチを差し込んでいます。 |
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マガジンの拡大写真 BB弾12発を装弾できます。 マガジンの手前上部にボタンの様なものがありますが、このボタンをハンマーが間接的に押して、マガジン内に充填したガスを放出します。 マガジンを交換の際、注意して装填しないと、このボタンが当たってガスが放出してしまうことがあります。 |
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イーストA製のP38専用ホルスター 写真では分かりにくいですが、表面は丁寧に黒塗りされており、すべすべした感覚がします。 |
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ホルスターの蓋を開けた状態 止め革を下に引いてピンから外すことで、簡単に蓋を開けることができます。 内部に予備マガジン1個を収納できます。 |