1 M14スナイパーカスタム 東京マルイの「M14」は、昨年発売された電動エアガンです。 良好な命中精度と高い剛性を備えていると評価されています。 今回は、この特性を生かして狙撃用に適した改良を施すことにしました。 スナイパーライフルに適したカスタムを施すのであれば、「命中精度の向上」と「消音化」が必要です。 しかし、どちらも実行に移すと思案すると、簡単な作業で効果の現れる方法は見当たりません。 私はエアガンの分解・組み立てに手慣れている訳ではなく、以下、実験的な試行錯誤を行っているので、同じ方法でカスタムパーツを組み込んだとしても、性能が変化するとは限りません。 あらかじめ断っておきますが、ここで紹介するエアガンのカスタムは、弾速測定器を使用した上で「銃砲刀剣類所持等取締法」に抵触しないように注意しています。 仮に、ここで紹介した同じ方法でパーツの交換をしたとしても、個体差などによって規制値を上回ることも考えられます。 また、エアガンの分解は様々なリスクを負うので、責任を負えない方は行わないで下さい。 2 始めに ノーマル時の弾速を計測しました。 「Combro Mk4」を使用し、使用弾はエクセルバイオ0.2グラム、適正ホップで10回計測した結果 最高 91.0(m/s) 最低 88.7(m/s) 平均 89.7(m/s) 0.80(J) でした。 この測定結果は、新品の状態で測定をしたものではなく、個体差などがあることも考慮してください。 集弾性は測定していません。 私個人のレギュレーションは 0.9Jとしているので、初速は94.86(m/s)以下になります。 最高値から見れば、初速の増加は約3.8(m/s)以内に収める必要があります。 3 改良点 今回の目的は、「命中精度」と「静穏性」の向上ですが「価格を抑える」こと、「メンテナンス性の確保」を重視しました。 つまり、利便性も考慮したライトチューンなので、性能重視のカスタムとは言えません。 初速も自主規制値に切迫しているので、意図的に初速を上げて命中精度を高める手法は行いません。 |
1 第1段階 交換または取り付けたパーツは次の通りです。 初速が高いので、内部パーツの交換は制限されます。 価格は、入手方法や販売店によって異なるので、実勢価格ではなく、通常価格を表示します。
(1) KM企画 TNパーフェクトバレル 命中精度の向上のためにバレルを交換することにしました。 準備した時点において、KM企画のバレルしか入手できませんでした。 M14用のバレルは、初速が規制値を超える恐れがあり、メーカーが生産を自粛していると言うことです。 事実、「PDI」の05バレル、01バレルはカタログ上から消えているほか、「LayLax」のバレルも品切れになっているようです。 もっとも 01バレルは、定価 13,160円もするので、現実的に使用できるパーツではありません。 KMバレルは、錆び易かったため敬遠したかったのですが、他に選択肢はありませんでした。 (2) システマ ベアリング付きピストンヘッド せっかく分解するので、ピストンヘッドも交換してみることにしました。 消音化には、シリンダーヘッド内部やピストンヘッドに、ソルボセイン等の緩衝材を張り付ける方法が効果的だと言われていますが、定期的な交換の手間を考えて見送ることにしました。 消音化には、サイレンサーの装着と内部に消音材を詰め込むことで対応します。 (3) ノーベルアームズ SURE HIT HIDE 7 スコープは、ノーベルアームズ製「SURE HIT HIDE 7」を選択しました。 ゲームでのスコープの有効性は、是非が分かれますが、あえて新型のスコープを購入することにしました。 可変倍率はゼロインする際に便利で、発光レティクルは薄暗場合に有効です。 ノーベルアームズの発光レティクルは、特殊な方式を採用しているので、スコープ内で乱反射しないらしいです。 (4) フリーダムアート ローマウントベース スコープの高さを低く抑えるために選択しました。 ただし、実銃に基づく外見からは懸け離れてしまいます。 (5) mojji マウントリング スコープの高さを低く抑えるために選択しました。 個人的には「TASCO HYPER MOUNTRING」が、安価でしっかりと固定できるので好みなのですが、他に条件を満たすものが見当たりませんでした。 (6) 桑田商会 マルチサイレンサー あるサイトで、消音効果に優れると紹介された記事を見た記憶があります。 大きなサイレンサーは消音効果が優れますが、価格と大きさのバランスを優先しました。 M14には適当な大きさかと思われます。 (7) KM企画 ナイロンスリング 第一に安価であり、第二にコットンよりも強度が優れるので選択しました。 (8) 消音材 消音材・防震材には、パソコン用の吸音・防音シート、ホームセンターに販売されていたゴムシート、ウレタンブロック、その他にテニスラケット用グリップを使用しました。 |
2 分解・交換・取り付け 分解は過去にアームズマガジンに掲載された記事を参考にしました。 |
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分解時の状況 分解した部品やネジの場所が分からなくならないように順番に並べています。 部品が混同したり、紛失防止にもなります。 |
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(1) バレルのガタ付き KMバレルは、アウターバレルとのガタ付きが発生しました。 インナーバレルにビニールテープを1周巻くことで、ガタ付きを解消することができました。 4箇所に巻き付けて、バレルスペーサーの代用にしました。 |
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写真上 KMバレル 写真下 純正バレル 何故かホップアップ部分の形状が異なります。 |
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(2) ピストンヘッドの交換 ピストンヘッドはプラスチック製なので、取り付けネジを強く締め付ければネジ穴を壊してしまう恐れがあります。 力が加わる部分なので、ネジが緩まないようにネジロック剤で固定しました。 (3) 消音材 適当が物が見当たらなかったので、パソコン用消音シートとホームセンターで販売されていたゴムシートを購入しました。 工業用素材やオーディオ用消音材なども探してみれば、もっと適した物が見つけられたかもしれません。 |
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消音材 写真上 パソコン用消音シート 写真下 ゴムシート(厚さ 1mm) |
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メカボックスの状況 メカボックス周辺には消音シートを貼る隙間がありません。 側面にテニスラケットのグリップを張り、上面にゴムシートを張りました。 そのため、ボルトは半分くらいしか動かなくなりましたが、発射時した発生する金属音は少なくなりました。 |
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ハンドガード内部の状況 ハンドガード内は隙間が多いです。 メカボックスから離れた場所なので、効果は期待できないと思います。 ハンドガードが、きしむ感じは無くなりました。 |
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(4) スコープマウント スコープを出来るだけ銃身に近い位置に取り付けるため、リアサイトは取り外しました。 サイレンサーの装着とスコープの使用を前提としているので、取り外しても問題はありません。 ハンドガードと対物レンズの間には、僅かな隙間だけを確保しました。 |
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スコープの装着の状況 サイレンサーを装着する前提なので、リアサイトは不要と判断しました。 リアサイトを取り外したことよって、スコープの高さを 11mm低くすることができました。 スコープとハンドガードの隙間は約 2mmです。 |
4 感想・反省 最後に初速を計測を行い、試射とゼロインをしました。 初速は カスタム前 平均 89.7(m/s) 0.80(J) カスタム後 平均 85.7(m/s) 0.73(J) と初速が低下していました。 参考まで、サイレンサーの装着時と非装着時の計測をしましたが、変化はほとんどありません。 (1) 命中精度 試射した感想です。 確かに 30m離れた標的に命中させることは可能ですが、一発必中という訳には行きません。 ノーマル時の性能とあまり変わらないように思えます。 インナーバレルとHOP部分の形状が純正と異なるためなのか、HOPの効き方が甘くなりました。 以下は、推測でしかありません。 銃口からインナーバレルがアウターバレルよりも 58mm短いことが気になります。 発射されたBB弾がインナーバレルから射出され、サイレンサーによって弾道が狭められる。 サイレンサーとインナーバレルの間の空間が弾道を不安定にしているのでは?とも思われます。 (2) 消音効果 M14は、オペレーティングロッドが可動するために隙間が多すぎます。 発射音を内部に封じ込めることは難しいです。 また、メカボックスの上面が剥き出しになっているので、消音化は非常に難しいと感じました。 メカボックス周辺には消音材を入れる隙間がほとんどありません。 サイレンサーの装着により、発射音は若干の低下はしたものの、手間を掛けて消音材を組み込んだ割には、その効果はほとんど感じられませんでした。 やはり、ピストンヘッドの打撃音を減らさなければ、効果的な消音効果は得られないと思います。 M14には、エンジェルやシステマのようなサイレントパーツは発売されていないうえに、隙間が多いので静穏性はステアーやP90よりも劣ります。 (3) 反省 今回のカスタムでは、性能の低下が感じられました。 スコープとサイレンサーは、それなりの性能を発揮していると言えますが、それ以外は、部品代と手間をかけても、効果的な性能の向上は得られませんでした。 |
1 第2段階 スコープを装着しただけで重量感が増加した感じがします。 エアガンを構えたままの姿勢で伏せていることは困難なので、バイボットを取り付けることにしました。 しかし、時として邪魔になるので、簡単に取り外すせることを前提として以下のパーツを準備しました。
(1) マルイ タクティカルバイポッド マルイ純正のバイポット。 「Harris」や「Versa」よりも安価なのが利点です。 (2) PDI アンダーマウント 数社からアンダーマウントが販売されています。 M14のストックには、バイボットを取り付ける穴が開いていますが、「PDI」のものはこの穴も使用してマウントをストックに固定するので、強度が優れるらしいです。 (3) LayLax クイックマウントベース バイボットを簡単に取り外すために購入しました。 2 取り付け テイクダウンの必要はありますが、取り付けは簡単に行えます。 3反省点 (1) 外見 バイボットの取り付け形状が不自然な感じを受けます。 「LayLax」や「KingArms」などの比較的安価な「Harris型」ものを使用するべきでした。 結局、何処にでもありそうなカスタムガンの外形になってしまいました。 スコープとバイポッドを取り付けただけでも相当な重量増加、サイレンサーの装着で全長が延伸しているため、取り回しは悪化しています。 4 総括 本当はODストックが欲しかったのですが、都合によりウッドストックになってしまいました。 いずれはODストックを入手して現在のストックは迷彩塗装を施そうと考えています。 今回の反省点を生かして、第3段階の改良を行いたいと思います。 |