陸上自衛隊 船岡駐屯地創立56周年及び第2施設団創隊54周年記念行事見学記録


 2015年4月12日(日曜日)


 陸上自衛隊船岡駐屯地で開催された船岡駐屯地創立56周年及び第2施設団創隊54周年記念行事を見てきました。
 船岡駐屯地は、宮城県柴田郡柴田町に所在し、第2施設団本部及び団本部付隊、第10施設群、第104施設器材隊、第312ダンプ車両中隊、第105施設直接支援大隊などの部隊が駐屯しています。

 この日は、自宅から2番目に近い郡山駐屯地でも駐屯地祭が開催されました。
 第6特科連隊が配置されている郡山駐屯地は、迫力ある訓練展示が行われると思いますが、今回は今までに見たことがない船岡駐屯地に行くことにしました。
 施設科部隊は、戦闘部隊を支援するため、各種施設器材をもって障害の構成・処理、陣地の構築、渡河等の作業を行うことを任務としているので地味な印象が感じられますが、その器材と技術を駆使して、国際貢献活動や災害派遣、部外土木工事などでも活躍しており、一般の駐屯地祭では見られない様々な装備を見ることができました。

 船岡駐屯地の沿革について、東北方面隊のHPから転載して紹介すると、現在の船岡駐屯地の所在地は昭和12年、海軍の火薬庫「B廠」として建設が開始され、昭和14年に「海軍火薬廠本廠船岡支廠」として開庁し、各種爆薬の製造を開始しました。
 さらに施設が拡充され、本格的な生産体制が整った昭和16年には「第1海軍火薬廠」と呼称を改め、戦争末期には毎日1万人近くが働く東洋で最大規模の火薬工場として終戦の日まで操業を続けました。
 戦後は米軍により接収され、朝鮮戦争勃発の際には弾薬補給所として使用されましたが、昭和33年、米軍より駐留地の全面返還が行われ、駐屯地は一時閉鎖されました。
 その後、地元からの強い要望を受けて昭和35年、愛知県豊川市から第103建設大隊が移駐し、陸上自衛隊船岡駐屯地として正式に発足しました。
 昭和37年には東北地区補給処船岡弾薬支処開設され、翌年、仙台から第2施設団本部が移駐し、数回の改編を経て現在に至っています。

 今回は3ページに分割して、第1ページには記念式典開始までの駐屯地内の様子、第2ページには記念式典や観閲行進、第3ページには訓練展示や広報コーナーを中心に紹介します。

 船岡駐屯地については、陸上自衛隊東北方面隊のホームページ内の駐屯地紹介のページで紹介されています。
    http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neahq/index.html

 会場で頂いた案内です。
 自衛隊のHPでは、駐屯地祭の内容が詳しく紹介されていないので掲載しました。
 正門付近の様子です。
 晴天で桜が満開でした。
 正門の様子です。
 ヘリコプターのエンジン音が大きくなったので辺りを見回すと、ホバリングを繰り返して点検をしているようでした。
 残念ながら飛行までは行われませんでした。
 東北方面音楽隊が到着しました。
 開門直後に正門から入った通りの様子です。
 道路の両側には、多くの桜が植樹されています。
 船岡駐屯地の敷地は非常に広く、敷地内には約1,000本の桜が植樹されており、柴田町の桜の観光名所の1つにもなっています。
 とても広い会場です。
 右側が観閲台になります。
 会場には、2門の155mm榴弾砲が設置されていました。  観閲台の様子です。
 招待者席ですが、式典の開始時間が近くなると、空いている席は一般入場者にも開放されました。  招待者席の後方席には、架橋器材が使用されています。
 一般入場者エリアから見た155mm榴弾砲です。  遠方にはクレーン車が見えます。
 駐屯地内に設置されていた看板です。
 船岡駐屯地に配置されている部隊名と部隊マークです。
 駐屯地には、渡河訓練場として使用されている大きな池があります。  まだ陽射しが低いので、装備品展示の車両は真っ暗に写ってしまいます。
 先に94式水際地雷敷設装置の体験試乗券を入手することにしました。
 運良く、94式水際地雷敷設装置の試乗整理券を頂くことができました。  敷設車(94式水際地雷敷設装置)の試乗場所の様子です。
 水際地雷敷設装置試乗の注意事項です。
 残念ですが、試乗中の写真撮影はできません。
 94式水際地雷敷設装置です。
 車体後方の水際地雷を搭載する部分に立ち乗りします。
 開場から早々に体験試乗が開始されました。
 94式水際地雷敷設装置の諸元について、陸上自衛隊のHPから転載して紹介します。
  [全長] 11,800mm [全幅] 2.8m(陸上姿勢) 4.0m(水上姿勢) [全高] 3.5mm [全備重量] 16,000kg(空車)
  [乗員] 3名 [最高速度] 50km/h(陸上車輪走行) 11km/h(水中プロペラ推進) [最大出力] 239kW/2,800rpm
  [開発] 防衛庁技術研究本部 [製作] 日立造船
  平成2年度から開発し、平成6年度に制式器材として制定された。海岸の水際地雷原を構成するために使用する。
 第10施設群の部隊マークです。
 試乗中の写真撮影は禁止されているので、近くから試乗の様子を撮影することにしました。
 陸上から水上走行に移る様子を連続撮影しました。
 見た目には緩やかな傾斜ですが、水上に入るときには緊張感が感じられました。  水際地雷敷設装置の体験試乗が行われるのは、東北では唯一、船岡駐屯地だけです。
 水際障害中隊は数少ない部隊なので、希少な機会だと思います。
 試乗してみて、水上走行で非常に小回りが利くとことが感じられました。  車体後部下側には、スクリューが2基装備されています。
満開の桜並木を見ながら、一時の観光遊覧が楽しめます。
 上陸を誘導する隊員です。
 渡河訓練場を1周してから上陸します。
 水上走行から上陸する様子も連続撮影しました。
 上陸する少し前からエンジン音が変化したので、タイヤを回転させながら水上走行していたように思えます。  東日本大震災では、水陸両用車という特性を生かして、福島県相馬市の沿岸部での行方不明者捜索に使用されました。
 上陸後も暫くの間、スクリューが回転していました。  渡河ボートの試乗も行われていました。
 整理券が必要ないので、長い試乗待ちの列ができていました。
 敷設車の試乗ではオレンジ色の救命胴衣が貸し出されていましたが、渡河ボートでは陸自迷彩の救命胴衣でした。  渡河ボートは2隻が用意されており、一度に約50名が試乗できました。
渡河ボートの試乗の様子です。
 遠くには、92式浮橋が見えました。  74式戦車が2両展示されていました。
 岩手駐屯地の第9戦車大隊の74式戦車です。
 大和駐屯地の第6戦車大隊から輸送すれば近いのですが、随分と遠いところから持ってきました。
 後から調べたところ、この日に開催された郡山駐屯祭では、第6戦車大隊の74式戦車が派遣されていたので、重複した事情があったのかもしれません。
 96式装輪装甲車です。
 同じく第9戦車大隊からの派遣です。
 第6偵察隊は大和駐屯地から派遣されました。  偵察用オートバイ、軽装甲機動車、重レッカーも展示されていましたが、他の駐屯地祭のレポートでも紹介しているので省略します。
 タイヤローラです。  酒井重工株式会社製の一般用建設機械が採用されてます。
 2013年製の比較的新しい装備です。
 第2ページでは、記念式典や観閲行進を中心に紹介します。