陸上自衛隊 平成27年度富士総合火力演習(教育演習・夜間演習)見学記録

 2015年8月22日(土曜日)


 平成27年度富士総合火力演習の教育演習と夜間演習を見てきました。
 改めて説明する必要はないと思いますが、富士総合火力演習(以下総火演)は、陸上自衛隊が開催する大規模な公開演習で、戦車やヘリコプター、各種火砲などが参加し、実弾や訓練弾が使用されます。
 本年の開催規模は、人員約2,300人、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約600両と説明されています。

 毎年、総火演の入場券は応募していたものの、落選続きで当選したことがありませんでした。
 本年の抽選倍率は約29倍、葉書応募総数が2万7,065通、ネット応募総数が14万9,083通と公表されており、強運が無ければ入手不可能です。

 総火演の当日は一般公募されますが、それ以外にも、自衛官の教育などを目的とした予行演習が5回実施されました。
 今回は特別に、前日に行われた教育演習と夜間演習のチケットを頂くことができたので、念願の総火演を見ることができました。

 演習プログラムを簡単に説明すると、前段演習と後段演習で構成されており、前段演習では、陸上自衛隊の火力を主要装備ごとに遠距離火力、中距離火力、近距離火力、ヘリコプター火力、対空火力及び戦車火力について紹介されました。
 後段演習では、統合運用による「島嶼部における攻撃への対応」として重要な三段階である「部隊配置」「機動展開」「奪回」の作戦様相が取り入れられています。
 この他にも、音楽演奏や装備品展示などが行われました。

 本年度及び過去に行われた総火演の動画は、陸上自衛隊の公式ホームページから見ることができます。

 今回は4ページに分割して、第1ページには前段演習開始までの様子、第2ページには前段演習、第3ページには後段演習、第4ページには装備品展示の一部と夜間演習を中心に紹介します。
 ポスターの画像及び文面の一部は、陸上自衛隊のホームページ(http://www.mod.go.jp/gsdf/index.html)から転載しました。

 会場の東富士演習場は、自宅から直線距離で約310kmもあります。
 この距離は三沢基地や小松基地よりも近いのですが、首都圏を越えて行くことを考えると、とても遠くに感じてしまいます。
 会場までの往復は、新幹線、私鉄、レンタカー、シャトルバス、タクシーを利用しました。
 今回頂いた富士総合火力演習のチケットです。
 白熱灯下で撮影したので、実物とは色調が異ります。
 御殿場ICに到着したのは、前日の午後6時40分頃でした。
 この時には雨が降っていたので、翌日の天候が危惧されました。
 当日午前5時40分頃の御殿場駅前のシャトルバス乗り場の様子です。
 早朝から多くの人が待っています。
 シャトルバスの待ち時間は10分少々でした。
 乗車待ちは2時間近くになるかもしれないと覚悟をしていましたが、拍子抜けです。
 総火演当日の待ち時間は、とても長くなるようです。
 シャトルバスの出発です。
 右側は御殿場駅、左側は駅前商店街です。
 この近くに本州最大の演習場があるとは感じられません。
 演習場が近付くにつれ、多くの自衛隊車両が目に映りました。  会場が見えました。
 最も右側の観客席のEスタンドです。
 会場には、既に長い入場待ちの列ができています。  シャトルバス乗降車場所から会場への通路の様子です。
 御殿場駅からはここまでの時間は、早朝の交通量が少ない道路状況で約20分かかりました。
 通路の足場は良くないので、しっかりとして歩き易い靴が必要です。
 会場までは10分近く歩きます。
 シャトルバス乗降車場所は数ヶ所あるので、帰り道を間違えないように注意する必要があります。
 会場時間は午前6時30分です。
 10式戦車が試射を行っていましたが、入場口付近は混雑して見えませんでした。
  
 入場時に頂いたパンフレットです。
 プログラムや会場、目標地域などが説明されています。
 続々と入場します。
 左側はスタンド席、右側は前面シート席です。
 前面シート席の様子です。
 中央には雲に覆われた富士山の一部が見えます。
 90式戦車が登場しました。
 演習開始前にはリハーサルが行われたので、その模様を紹介します。
90式戦車です。
ドーザーブレードが装備された仕様です。
 射撃体勢を整えた90式戦車です。
 リハーサルなので、写真の撮影は少なく、手抜きをしています。
 富士山の麓には雲がかかっています。
 先程よりは雲が薄れて、山頂が見え始めました。
 軽装甲機動車です。  87式偵察警戒車が射撃を行います。 
 96式装輪装甲車です。
 96式40mm自動てき弾銃を搭載しています。
 1/2tトラックです。
 6名が乗車すると窮屈そうに見えます。
 120mm迫撃砲を設置します。  射撃準備を整えた120mm迫撃砲です。
富士山が姿を見せました。
上空には厚い雲が広がっているので、場所によって明暗がはっきりしてます。
 89式装甲戦闘車です。  35mm機関砲の着弾地点の様子です。
 99式自走155mm榴弾砲です。
 前から7列目くらいでしたが、観客が視線を遮ります。
 前面シート席では、最前列に座れなければ、良質な写真を撮影することは難しいです。
 203mm自走榴弾砲です。
 陸上自衛隊が装備する最大口径の火砲です。
 北海道と九州、そして特科教導隊にしか配備されていません。
 見られる機会が少ないので、多く掲載します。
 87式砲側弾薬車です。
 203mm自走榴弾砲の操作要員と弾薬を運搬します。
 155mm榴弾砲です。  それぞれの火砲は射撃準備を進めます。
 99式自走155mm榴弾砲です。
 2両が登場して、1両は砲塔を正面に向けた状態、もう1両は砲塔を旋回させた状態で射撃を行いました。
 99式自走155mm榴弾砲が射撃を行う様子です。
203mm自走榴弾砲です。
迫力も最大級です。
 155mm榴弾砲が着弾する様子です。  弾道現示射撃の様子です。
 13門の火砲が1秒ごとに斜め右下方向に向かって爆発しています。
 曳火射撃の様子です。
 22門の火砲による射撃が、横一直線で同時弾着しています。
 左から155mm榴弾砲、203mm自走榴弾砲、99式自走155mm榴弾砲2両です。
 射撃を終了して撤収準備が進められています。
 戦闘ヘリコプターAH-64Dです。
 厚い雲が太陽を遮っているので、暗くなってしまいました。
 AH-64Dは30mm機関砲を射撃しました。
 92式地雷原処理車です。
 演習を前にして、迫力あるリハーサルを見ることができました。
 スタンド席の後方には、多くの飲食店やお土産物店などが出店しているので、演習開始までの待ち時間に買い物しました。
 会場周辺の様子ですが、シャトルバスやタクシーが続々と到着します。
 自衛隊の大型トラックの荷台には、寿司詰めの状態で隊員が乗車しています。
 会場近くには、99式自走155mm榴弾砲や203mm自走榴弾砲が待機していました。  会場周辺に設置された映像装置です。
 広域用監視装置 GOB-20とは異なります。
 会場では、演習開始に向けて、着弾地点を修繕しています。  別の着弾地点ですが、鉄板のような標的が使用されており、弾痕のようなものが見えます。
 油圧ショベルが着弾地点を修繕しています。
 3の台は戦車や装甲戦闘車の射撃目標です。
 赤色と白色の風船は、指向性散弾の攻撃目標です。
多数のグレーダやタイヤローダなどが会場を整地しています。
滝ヶ原駐屯地のHPには、総火演での統制のとれたグレーダ作業は一見の価値ありと紹介されています。
 会場の整地を行う車両は、教育支援施設隊の他、第390施設中隊や第301ダンプ車両中隊などの部隊名が確認できました。  整地が終了すると散水作業が行われました。
 自衛隊の車両だけでは足りないのか、多数のレンタル車両を使用して散水しています。  会場中央から離れてしまいますが、観客が写真に入っていまうので、場所を変えることにしました。
 次のページでは、前段演習の様子を紹介します。