海上自衛隊 護衛艦「いせ」「みょうこう」見学記録

 2016年7月17日(日曜日)


 7月17日・18日の2日間、山形県酒田港において、海上自衛隊の護衛艦「いせ」と「みょうこう」が一般公開されました。

 福島市から酒田港までの距離は、高速道路を利用して約220km、所要時間は約3時間30分もかかりますが、ヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦の2隻が一般公開される豪華イベントなので、見に行くことにしました。
 残念ながら、初日は雨に降られたものの、第4護衛隊群のHPによると、2万5,236人もの来場者で賑わったそうです。

 護衛艦「いせ」は、ひゅうが型護衛艦の2番艦として建造され、平成23年3月16日に就役しました。
 第4護衛隊群第4護衛隊に配備されており、呉基地を定係港としています。
 今年の「いせ」の一般公開は、6月19日に三重県四日市港、6月21・22日 兵庫県姫路港、7月14日 北海道室蘭港、7月17・18日 山形県酒田港、7月23日 富山県伏木港で行われており、更に7月31日のサマーフェスタ江田島では、電灯艦飾を行い、多忙なのようです。
 今後は、5年に1度実施される長期の定期検査を受けるため、当分の間は一般公開されることが無いようです。

 護衛艦「みょうこう」は、こんごう型護衛艦の3番艦として建造され、平成8年3月14日に就役しました。
 第3護衛隊群第7護衛隊に配備されており、舞鶴基地を定係港としています。
 平成21年には弾道ミサイル対処機能(BMD)を付加し、大気圏外での弾道ミサイル撃墜が可能となりました。

 今回は3ページに分割して、第1・第2ページでは護衛艦いせ、第2ページでは護衛艦みょうこうを中心に紹介します。

 ポスターの画像は、自衛隊山形地方協力本部のホームページから引用しました。
   http://www.mod.go.jp/pco/yamagata/index.html
ひゅうが型護衛艦 (DDH"HYUGA"Class)
基準排水量
13,950t
馬 力
100,000馬力
主機械
ガスタービン4基2軸
乗 員
約380名
速 力
約30ノット
主要寸法
長さ 197m、幅 33m、深さ 22m
主要兵装
VLS装置一式、短魚雷発射管2基、高性能20ミリ機関砲2基、哨戒ヘリコプター
同型艦
181「ひゅうが」

写真とデータは、海上自衛隊のホームページから引用しました。
  http://www.mod.go.jp/msdf/

 護衛艦みょうこうです。
 駐車場から入場口に向かう途中に撮影しました。
 酒田市に到着する前から雨が降り出しました。
 護衛艦みょうこうの左側には、護衛艦いせが停泊していました。
 公開開始時間の約20分前の入場口の様子です。
 今年、見に行ったイベントは、雨、曇空、猛暑と天候に恵まれません。
 公開開始まで時間があるので、外観を撮影しました。
 船首部分に装備された高性能20mm機関砲です。
 マストには様々な電子機器、艦橋上部にはマルチファンクションレーダ(FCS-3)が装備されています。  艦橋です。
      
左側は入場時に頂いたファイル、中央と右側はパンフレットです。
パンフレットには、旧日本海軍の航空戦艦に改装後の戦艦伊勢との比較が記載されていました。
戦艦伊勢と比較して、護衛艦いせの排水量は約40%ですが、全長と全幅は大差がありません。
 入場後は、「いせ」と「みょうこう」の何方を先に見るか選択できました。
 ひゅうが型護衛艦を見られる機会は希少なので、混雑する前に「いせ」を先に見ることにしました。
 タラップの様子です。
 こちらのタラップは、乗員の乗下船に使用されているようです。  護衛艦いせの銘板です。
 飛行甲板から張り出した部分には、衛星通信アンテナが装備されています。
 この球体型のアンテナは、イージス艦やヘリコプター搭載護衛艦にしか装備されていません。
 スポンソンは、旧日本海軍の空母のような雰囲気が感じられ、25mm3連装機関銃や12cm28連装噴進砲が装備できそうです。
 この場所には、チャフ・ロケット発射機が装備されています。
 下方から見た艦橋です。  全周に12.7mm重機関銃架が装備されています。
 右舷後部の様子です。
 膨張式救命いかだや内火艇が装備されています。
 午前9時に乗船が開始されました。
   
 このタラップから乗船する様子です。  船尾方向から見た前部航空機用昇降機(エレベーター)の様子です。
 ヘリコプター格納庫内から見た様子ですが、飛行甲板まで高いです。  エレベーターの昇降機です。
 昇降機は四隅に装備されており、何本ものワイヤーロープでエレベーターを吊り上げます。
 エレベーター上から艦橋を見上げた様子です。  エレベーターが上昇する様子を、4枚連続の写真で紹介します。
 前部エレベーターから艦尾方向を見た様子です。
 エレベーターが上昇します。  約30秒で飛行甲板まで上昇します。
 エレベーターが飛行甲板に到着する直前の様子です。  エレベーター上から船首方向を見た様子です。
甲板に展示された哨戒ヘリコプター SH-60Jです。
混雑する前にSH-60Jを見ることにしました。
 SH-60Jの説明です。  ミサイル警報装置です。
 機体後方は折り曲げることが可能で、格納庫にコンパクトに保管できます。  機体右側のチャフ・フレア・ディスペンサーです。
 チャフとフレアのカートリッジには互換性があると思われますが、フレアと表示されているので、フレア専用で使用されているのかもしれません。
 AN/ASQ-81D(V)-4 磁気探知機です。
 潜水艦から発生する磁気を探知します。
 メインローター基部の様子です。
 複雑な機構をしています。
 HOIST RESCUE HYDRAULIC POWERED SYSTEMです。
 直訳するなら、油圧動力巻き揚げ救助装置?
 赤外線探知装置 AN/AAS-44-N2です。
      
機内が公開されていました。
中央にはディッピングソナーが装備されています。
 正面から見た様子です。  データリンク装置、捜索用レーダ、ESMアンテナ、ミサイル警報装置が装備されています。
   
コクピットは開放されていました。
 1,800馬力のジェットエンジンを2基搭載しています。  マーカー投下器I型です。
 発煙筒を投下する装置です。
 下方の射出部が開放されていました。
 下方から見た様子です。
 機体左側のチャフ・フレア・ディスペンサーとフライトレコーダーです。
 上側はチャフ、下側はフレアと表示されています。
 1基に30発装填できます。
 次のページでは、護衛艦いせの主要装備を中心に紹介します。