陸上自衛隊 平成29年度富士総合火力演習(教育演習)見学記録

 2017年8月26日(土曜日)


 平成29年度富士総合火力演習の教育演習を見てきました。
 富士総合火力演習(以下総火演)は、陸上自衛隊が開催する大規模な公開演習で、戦車やヘリコプター、各種火砲などが参加し、実弾や訓練弾が使用されます。
 本年の開催規模は、人員約2,400人、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約700両と説明されています。

 総火演当日の入場券は一般公募されますが、本年の応募総数は150,361通(昨年度:147,831通)、当選倍率は約29倍になりました。
 今年も一般公募に落選しましたが、直前になって教育演習の入場券を頂くことができました。

 演習プログラムを簡単に説明すると、前段演習と後段演習で構成されており、前段演習では、陸上自衛隊の火力を主要装備ごとに遠距離火力、中距離火力、近距離火力、ヘリコプター火力、対空火力及び戦車火力が展示されました。
 後段演習では、統合運用による「島嶼部における攻撃への対応」として重要な三段階である「部隊配置」「機動展開」「奪回」の作戦様相が展示されました。
 この他にも、音楽演奏や装備品展示などが行われました。

 本年度及び過去に行われた総火演の動画は、陸上自衛隊の公式ホームページから見ることができます。

 今回は3ページに分割して、第1ページには前段演習開始までの様子、第2ページには前段演習の前半部分、第3ページには前段演習の後半部分、第4ページには後段演習を中心に紹介します。

 画像や解説の一部は、陸上自衛隊のホームページから引用しました。
   http://www.mod.go.jp/gsdf/index.html

 
 一般公募の抽選に落選したので、8月26日は福島自衛隊音楽祭を見て、翌日は松島基地航空祭に行こうと考えていました。  直前になって、教育演習の入場券を頂きました。
 教育演習は、総火演当日と同等の内容が行われます。
 自宅から会場までの距離は約400km、約5時間もかかります。
 急遽、1泊2日の旅行を計画しました。
 教育演習の翌日には、早朝から松島基地航空祭に出掛けるので、無理のない行程に心掛けました。
 近日中に自動車を手放す予定だったので、カーナビを取り外していました。
 スマートフォンのカーナビアプリを頼りにすることには、不安がありましたが、十分に機能しました。
 自宅を出発するときには雨が降っており、フロントガラスが濡れています。
 前日には、観光や会場付近の下見をしてきました。
 写真中央にはスタンド席が見えますが、多くの自衛官が警戒していたので、写真を撮影できる雰囲気ではありませんでした。
 会場から少し離れますが、国道469号線の両側は東富士演習場になります。
 広大な面積で、立入禁止の看板が所々に設置されています。

 当日の様子を紹介します。
 午前5時現在の天気予報は、午後から雨でした。
 雨が降らないことを期待するばかりでした。
 午前5時45分頃、会場まで約4.3kmの道路ですが、この先には招待者用の高塚駐車場があるので、渋滞して全く動きません。
 移動経路を十分に検討するべきでした。
 今回は、会場近くに開設された有料駐車場を利用しました。
 駐車場付近の道路ですが、分かり難い場所だったので、前日に確認しておきました。
 駐車場から会場までの距離は約2.6kmあり、登坂を約40分歩きました。
 会場に近づくにつれ、自衛隊車両の交通量が多くなりました。
 正面には、富士総合火力演習が行われる演習展示地域が見えます。
 多くのタクシーが会場に向かって行きましたが、駐車券を入手できなければ、割り勘で利用するのが楽な方法なのかもしれません。
 99式自走155mm榴弾砲や87式砲側弾薬車が見えました。
 スタンド席が見えてきました。
 ここまで歩いて来るのは遠かったです・・・
 会場には74式戦車が見えました。
 開場時間は午前6時30分ですが、それよりも早い時間から射撃訓練が行われていました。  会場に到着しました。
 会場見取図です。
 Cスタンド席から見た様子を紹介します。
 午前6時40分頃、スタンド席に座りました。
 87式自走高射機関砲が射撃を行っていました。
 90式戦車と10式戦車の約15両が射撃を行いました。
 早く到着できれば、訓練の様子を見ることができます。
 太陽がまだ低く、手前側は照らされていないので、暗い写真になってしまいました。
 凸型の標的の下方に、飛翔する120mm砲弾が写っています。  着弾しました。
 照明弾が発射されました。
 120mm迫撃砲が発射した照明弾と思われます。
 10式戦車が退場します。
 スタンド席からは距離がありますが、シート席の前方に座ることができれば、近い距離から見ることができます。  87式偵察警戒車が射撃を行いました。
 偵察用オートバイが登場しました。  89式装甲戦闘車が登場しました。
 84mm無反動砲が発射した発煙弾のようです。
 訓練内容は放送されないので、状況を掴み難いです。
 訓練は、演習の順番とは異なるようです。
 89式装甲戦闘車が発射した35mm砲弾です。
 連射されたので撮影し易いです。
 標的を破壊しないように、外しているように見えます。
 96式装輪装甲車が登場しました。  対人狙撃銃を射撃しています。
 演習では1つの目標にしか射撃しませんでしたが、訓練では何発も試射しました。
 対人狙撃銃は、独特の銃声がしました。
 青空が広がってきました。
 訓練は続いていますが、スタンド席を離れて売店で買い物をすることにしました。
 会場後方の道路は、96式装輪装甲車など多くの自衛隊車両が通過しました。
 スタンド席に戻ると、厚い霧に覆われていました。
 会場の様子は殆ど見えません。
 徐々に霧が晴れてきました。
 会場では沈黙が続いており、動きはありません。
 各種火砲が見えてきました。  約15分で霧が晴れました。
 富士山近辺の天候は、変わりやすいようです。
 各種火砲が退場しました。
 先程の霧が嘘のようです。
 富士山の右側には、落下する照明弾が見えます。 
 戦闘ヘリコプター AH-64Dが待機しています。
 AH-64Dが登場しました。  ロングボウレーダーを装備したAH-64Dが2機です。
 演習では30mm機関砲を射撃しましたが、訓練では射撃を行いませんでした。  155mm榴弾砲による同時弾着射撃が行われました。
 AH-64Dが退場します。  水陸両用車が登場しましたが、会場を通過しただけでした。
 演習では何が行われるのか、期待できそうです。
 午前8時10分頃、訓練が終了しました。
 終了後、会場整備が行われまました。
 地雷探知機画像型を使用しています。
 車両が踏んだ金属片が、観客席に飛び散らないように除去しているようです。
 標的を補修しています。  機関銃などの目標地域です。
 資材運搬車にも赤色の訓練用標旗を掲げることがあるようです。  油圧ショベルのアームが見えます。
 通常の油圧ショベルよりも、アームが長いタイプです。 
 3 1/2tトラックから標的用の風船を降ろしていますが、トラックと比較すると大きいです。  教育支援施設隊のグレーダーです。
 滝ヶ原駐屯地のHPには、総火演での統制のとれたグレーダ作業は一見の価値ありと紹介されています。
 中型ドーザのようです。  会場整備が進められる一方で、富士学校音楽隊による音楽演奏が行われました。
 タイヤローラが登場しました。
 茨城県古川駐屯地の第101施設器材隊特殊器材中隊の部隊名が読み取れました。
 神奈川県座間駐屯地の第388施設中隊の特大型ダンプです。
 会場整備には、幾つかの部隊が従事しているようです。
 混雑するので難しいのですが、早めに会場に到着すると、訓練と会場整備の様子を見ることができます。  着弾地点を整地しています。
 先程の油圧ショベルで、演習場整備器材の一種です。
会場整備は大掛かりです。
午後から雨の予報とは思えない晴れ間が広がりました。
 会場整備の最後は、砂塵の飛散を防ぐために、散水作業が行われました。
 第101施設器材隊特殊器材中隊の車両ですが、レンタルの散水車も多く使用されました。
 前段演習開始の30分前には、会場整備が終了しました。
 次のページでは、前段演習の前半部分の様子を紹介します。