陸上自衛隊 令和元年度富士総合火力演習(教育演習・夜間演習)見学記録

 第6ページでは、前段演習の様子を紹介します。 前段演習では、陸上自衛隊の主要装備を紹介します。  大型スクリーンには、演習場地域が説明されました。 次の写真で分かり易く説明します。
 二段山、三段山は距離約3,000mで特科火砲などの目標地域です。 「2」~「6」で表示した台は約1,000~約1,800m、「7」は約2,500m、「A」~「E」は戦車砲などの目標地域です。 「紫」で表示した台は約1,200mで戦車砲、機関砲などの目標地域です。 「オレンジ」は約800m、「青」~「白」は約600~約800mで、機関銃などの目標地域です。
 会場左側の黄色の煙が上がっている場所が「左の台」で、誘導弾などの発射地域です。  会場右側の黄色の煙が上がっている場所が「右の台」で、こちらも誘導弾などの発射地域です。 Aスタンド席からは、約450mも離れています。
 最初は特科火力の紹介です。 82式指揮通信車が登場しました。 特科部隊の指揮官車です。  155mmりゅう弾砲(FH70)が2門登場しました。
 155mmりゅう弾砲が射撃準備を行います。  中砲けん引車から切り離しました。 続いて99式自走155mmりゅう弾砲が登場するので、射撃準備の様子を全て紹介することはできません。
 牽引式の155mmりゅう弾砲と自走式の99式自走155mmりゅう弾砲は、射撃準備に要する時間が異なります。 時間差が確認できるように、遅れて登場しました。  99式自走155mmりゅう弾砲です。 155mmりゅう弾砲の登場から約1分遅れての登場です。
19式装輪自走155mmりゅう弾砲です。
 19式装輪自走155mmりゅう弾砲は、本年度装備化される予定です。 FH70の後継の装備で、装輪化、射程の延伸、各種自動化により高速で戦略機動し、速やかに陣地占領、射撃の準備ができます。 試験中ため、実弾射撃は行いませんでした。 射撃準備の様子は、第4ページで紹介しているので省略します。
射撃準備を完了した特科部隊です。
 99式自走155mmりゅう弾砲の射撃です。 2門同時に各4発射撃しました。  弾着の様子です。 点検射とは異なり、アナウンスがあるので、弾着した瞬間の様子が撮影し易いです。
 19式装輪自走155mmりゅう弾砲が陣地変換します。  99式自走155mmりゅう弾砲は、迅速に陣地変換して、射撃を継続することができます。
 155mmりゅう弾砲の射撃です。  砲弾が地表面で破裂する着発射撃です。 会場の2門と後方に展開した中隊主力の合計5門による射撃で、同時に弾着させました。 
 続いて、全ての射弾を同時に破裂させる同時弾着射撃を行います。  会場と後方陣地の合計約2個大隊規模による射撃が、空中の1点に集中しています。
 2枚連続の写真になります。 155mmりゅう弾砲が射撃した後、99式自走155mmりゅう弾砲が射撃しました。 目標に当時に弾着させるためには、装備により、砲弾の初速差などがあるため、僅かに射撃の時間に差が生じています。
 一直線で同時に弾着しています。 異なる火砲、異なる射距離で同時に弾着させるためには、高い技術が必要となります。 弾着を数えたところ、18門の火砲が使用されていました。
 特科火力の最後は、曳火射撃により富士山を描くという非常に難易度の高い射撃を行いました。 全ての火砲、弾薬の操作に100分の1秒単位の精度が要求されるということです。 残念ながら悪天候のため、富士山の山頂部分は霧に隠れて見えませんでした。
 悪天候で無ければ、富士山の形に見えました。 この写真は、陸上自衛隊のHPから引用しました。  特科部隊が撤収します。 特科部隊は、新たな任務を与えられた場合、または、自らの射撃により、敵のレーダー等から評定され、対向射撃を避ける必要がある場合、陣地変換を行います。
19式装輪自走155mmりゅう弾砲です。 ほぼ真横から撮影できたので、トラックに装備された火砲などの配置状況など分かります。
99式自走155mmりゅう弾砲です。
155mmりゅう弾砲が自走して撤収しました。 次のページに続きます。