海上自衛隊 平成24年度自衛隊観艦式 艦艇一般公開見学記録


 第2ページでは、護衛艦「やまゆき」と潜水艦救難艦「ちはや」を紹介します。
 護衛艦「ひゅうが」を見学した後、横浜新港で一般公開された「やまゆき」と「ちはや」を見てきました。
 「ひゅうが」が停泊していた大桟橋埠頭から横浜新港までは、道程にして約1,500m程の近い距離でした。

 護衛艦「やまゆき」

 「やまゆき」は、はつゆき型護衛艦の8番艦として、昭和60年に就役しました。
 はつゆき型護衛艦〔計画時 2,900トン型護衛艦(DD)〕は、昭和52年度から建造を開始した多用途の護衛艦であり、従来の護衛艦より対潜捜索攻撃能力を強化するために、HSS-2B対潜へリコプター1機を搭載するほか、水上打撃能力及びミサイル防御能力の向上を図るため、SSMハープーン、短距離艦対空ミサイル(短SAM)及び各種電子戦装置を装備します。

 潜水艦救難艦「ちはや」

 「ちはや」は、姉妹艦の「ちよだ」とともに、事故や故障のため、自らの力で浮き上がることができなくなった潜水艦から乗員を救出することを任務としています。
 潜水艦は水中を行動することができるため、通常の船とは異なり、遭難しても潜水艦の中で乗員が生存している可能性が考えられることから、海上自衛隊には潜水艦救難(母)艦が装備され、常時、遭難潜水艦が発生した場合に備えています。
 「ちはや」は、平成12年3月に就役した潜水艦救難艦で、遭難潜水艦の脱出用ハッチと密着して、潜水艦乗員を高い水圧にさらすことなく救出するための深海救難艇(DSRV)を装備しています。
 このDSRVは正、副2名の操縦員が操縦し、1回の潜航で12名の潜水艦乗員を救出することができます。
 また、遭難潜水艦の脱出用ハッチ付近の異物を除去するなど、DSRVの運航を助けるための装備として、水中カメラや2本のマニピュレータを備えた遠隔操作の無人潜水装置と深海での潜水作業を最も効率よく行える飽和潜水を支援する深海潜水装置を装備しています。

 ※文面の一部は、防衛白書から引用しました。



護衛艦「はつゆき」型 DD"HATSUYUKI"Class 129「やまゆき」
 基準排水量
 2,950t
 馬 力
 45,000PS
 主機械
 ガスタービン4基2軸
 乗 員
 約200名
 速 力
 30kt
 主要寸法
 130m x 13.6m x 8.5m x 4.4m (長さ、幅、深さ、喫水)
 主要兵装
 62口径76ミリ速射砲x1、SSM装置一式・短SAM装置一式、アスロック装置一式、3連装短魚雷発射管x2、哨戒ヘリコプターx1、高性能20ミリ機関砲x2
 同型艦
 124 「みねゆき」、125 「さわゆき」、127 「いそゆき」、128 「はるゆき」、129 「やまゆき」、130 「まつゆき」、132 「あさゆき」
 ※練習艦の艦種変更を除く



潜水艦救難艦「ちはや」型 ASR"CHIHAYA"Class 403「ちはや」
 基準排水量
 5,450t
 馬 力
 19,500PS
 主機械
 ディーゼル2基2軸
 乗 員
 約125名
 速 力
 21kt
 主要寸法
 128m x 20m x 9m x 3m (長さ、幅、深さ、喫水)
 特殊装置
 深海救難装置一式
 同型艦
 なし
 写真とデータは、海上自衛隊ホームページ(http://www.mod.go.jp/msdf/)から転載しました。

 近くの歩道橋の上から見た「やまゆき」と「ちはや」です。  この場所は、自衛隊観艦式に参加する艦船の乗船場所にもなっています。
 翌日の自衛隊観艦式の事前公開では、「ちはや」に乗船しました。
手前側が「ちはや」で、その向こう側に船首の一部が見えているのが「やまゆき」です。
 「ちはや」は武装を搭載していませんが、汎用護衛艦と比較しても、随分と大きな印象を受けます。
 埠頭から見た「やまゆき」です。
 はじめに「やまゆき」の写真を紹介した後、「ちはや」を紹介します。
 「やまゆき」は、以前、小名浜港で公開された「しらゆき」と同型艦です。
 余談ですが、「しらゆき」は旧式化などから、練習艦に艦種変更されています。
 「やまゆき」の艦橋右側の様子です。  船体中央には、艦対艦誘導弾ハープーンや68式3連装短魚雷発射管を搭載しています。
 艦対艦誘導発射器を後方から見た様子です。  「やまゆき」から乗船して、前部甲板を通って「ちはや」に乗船します。
 「やまゆき」の公開範囲は甲板上のみで、艦内は公開されていませんでした。
 68式3連装短魚雷発射管です。
 間近で見ると、艦対艦誘導弾は大きく感じられます。  短魚雷発射管は、主に近距離の対潜水艦用を目的にしています。
 74式アスロックです。  対潜水艦用魚雷をロケットで遠方に投射する装備です。
 近年の護衛艦は、射角の制限を受けない垂直発射機に変更されています。
 62口径76ミリ速射砲です。  近年建造されている護衛艦には、強力な127mm速射砲が搭載されています。
 船首部分の様子です。  「ちはや」の艦橋から見た船首部分の様子です。
 艦橋左側に搭載された高性能20ミリ機関砲です。
 艦橋には、各種レーダーをはじめ、様々な装備が搭載されています。  艦尾には、ヘリコプター発着甲板を装備しています。
 艦尾に装備された短距離艦対空誘導弾発射器です。  発射器には、艦対空ミサイル「シー・スパロー」を8発搭載できます。
  
 発射器には、模擬弾が装填されています。  艦尾部分です。
 写真には写っていませんが、曳航式ソナーを装備します。 
 ここからは、「ちはや」の紹介を紹介します。
 「ちはや」に搭載された深海救難艇「DSRV(Deep Submergence Rescue Vehicle)」です。
 深海救難艇の上部は、大型クレーンの構造物になっています。  深海救難艇前方の様子です。
格納庫前方から見下ろした様子です。
 DSRVを後方から見た様子です。  DSRVを右後方から見た様子です。
 DSRVの配置図です。
 内部は、操縦室、救難室、機器室の3つの球体状の室内に分かれています。
 DSRVはバッテリーで駆動します。
 黄色いカバーが掛けられている物は、DSRV用主蓄電池です。
  
 遠隔操作無人探査機「REMOTELY OPERATED VEHICLE」です。
 水深2,000mまで潜行できます。
 写真左側 : マニピュレーター
 写真右側 : カメラ類
 操舵室の様子です。  操舵席です。
  
 写真左側 : 操舵席の計器類
 写真右側 : レーダー交換機系統表示板
 舵角や主翼角などを表示する計器類です。
 「ちはや」は主軸の他に「バウスラスター」と「スタンスラスター」を装備しているので、計器類は多くあります。
 機関運転状況表示盤です。
 主機や発電器、油圧ポンプなどの機関の作動状況を表示させます。
  
 方位環です。
 方位を正確に測るための機器です。
 写真左側 : 30cm信号探照灯
 写真右側 : 12cm双眼鏡
 船体後部はヘリコプター発着甲板を装備しています。  甲板上には、事前公開のためにベンチなどが設置されています。
 飛行甲板の前方に設置された管制室です。  艦尾の飛行甲板下の様子です。