陸上自衛隊 平成27年第1空挺団降下訓練始め見学記録


 訓練展示に先立ち「各指揮官による降下」が行われました。
 3機の輸送ヘリコプター「CH-47」から、第1空挺団及び関係部隊の指揮官が落下傘降下を実施しました。
 先頭のCH-47です。
 旧軍以来、落下傘降下において、指揮官は自ら率先陣頭に立ち、部隊を指揮するため、先頭降下員として降下することが伝統になっているそうです。
 始めに第1空挺団長が降下しました。  以下、大隊長・中隊長クラスの幹部が降下を実施しました。
CH-47各機から5名が降下しました。
 着地の様子です。
 4枚連続の写真になります。
 五接地転回法という方法で体を回転させて着地衝撃を分散させます。
 着地の順序は、1.両足先裏・・・
 2.一方の足のすねの外側 3.同じ足の大腿部外側 4.臀部 5.反対側の肩甲骨下部になります。  着地後、素早く立ち上がって空挺傘を畳みます。
 空挺降下が終了して、訓練展示会場の説明が行われました。
 会場に向かって右側が敵陣地です。
 会場左側から自衛隊の部隊が進入します。
 3機のCH-47に分乗して、上空から空挺降下を視察した防衛大臣や自衛隊幹部が着陸しました。  後部ランプドアが開きました。
 強風で大量の枯れ草が舞っています。
 中谷元防衛大臣と側近です。
 先頭から2番目の緑色のジャンパーを着用しているのが大臣ですが、非常に遠いので表情までは写真に写りません。
 CH-47は低空で急旋回して、会場から離脱しました。
 訓練展示開始の合図です。
 第1部は「各種航空機からの降下展示」です。
 始めはCH-47からの自由降下です。
 今回は対地高度約1,400mから降下を実施しています。
 酸素マスク等を装着することにより、最高約10,000mからの高々度からの降下が可能で、その場合、最大約25kmの距離を滑空することが可能です。
 合計12名の隊員が降下を実施しました。
 使用されている落下傘は、MC-4と呼ばれる自由降下傘です。
 次々と一般見学席の近くに着地しました。
 着地する様子です。  着地直後の空挺隊員です。
 次に多用途ヘリコプター「UH-1」からの降下が行われました。  UH-1からは、5名の隊員が降下しました。
 続いてCH-47からの降下が行われました。  CH-47からは、5名の隊員が降下しました。
 航空自衛隊のC-1輸送機からの降下です。  飛行高度は地上から約340m、飛行速度は約210~240kmであり、概ね東京タワーの高さを走る新幹線の扉から飛び出すことと同じイメージになります。
C-1からは、10名が降下しました。
 最後はC-130Hからの降下です。
 本年度から導入された新空挺傘「13式空挺傘」による機体の両扉からの同時降下が行われました。
 防衛省装備施設本部だよりによると、13式空挺傘は、空中接触時、双方の傘体が潰れず、また上下接近時も下方の傘の空力により上方傘体が潰れないような優れた性能を併せ持ち、航空機両扉を使って安全・確実に連続した空挺降下が可能となった旨の説明がされています。
C-130Hからは、20名の隊員が連続して降下しました。
 13傘による降下が一般公開されたのは、今回が初めてのようです。
 写真からは、会場の広さが感じられると思います。
 第2部は「島嶼防衛における空挺作戦の展示」です。
 設定は、新防衛大綱に示された統合機動防衛力構想に基づく島嶼防衛作戦であり、不法に占領された島嶼を陸・海・空自衛隊が連携して空挺作戦等を行い、最終的に戦車を含む重装備の部隊を揚陸して敵を撃滅します。
 P-3Cが日本国に接近する敵潜水艦や艦船の情報収集を行います。
 P-3Cの情報収集により、航空自衛隊の戦闘機と協同して、洋上の敵艦船を撃破します。
 連絡偵察機「LR-2」が登場しました。
 敵の部隊配置を確認し、味方に連絡します。
 収集した情報によって、島嶼奪還作戦が実行されました。
 戦闘部隊の降下を容易にするため、海上自衛隊の護衛艦はたかぜ、航空自衛隊の戦闘機F-2により、艦砲射撃及び空爆を実施したという設定です。
 事前制圧射撃の様子です。
 爆発によって炎が跳んでいます。
 事前潜入部隊により隠密降下が実施されます。
 CH-47から偵察小隊及び降下誘導小隊の12名が自由降下を実施しました。
 自由降下技術は特に偵察任務等に必要不可欠な技術であり、一般隊員から更に選抜された隊員により実施されます。  降下誘導小隊は、事前に潜入して主力の降下を誘導し、部隊及び装備品等を所望の時期・場所に到着させる部隊であり、その誘導技術は非常に高く、世界最高峰と紹介されています。
 降下の様子ですが、降下地点が遠いです。  降下誘導小隊の誘導により、第1空挺団主力による空挺降下が実施されます。
 1機目のC-1が会場に進入してきました。
戦闘降下員による降下の様子です。
 20名の隊員が降下しました。  2機目のC-1が会場に進入してきました。
 落下傘を装着して着地する時の衝撃は、建物の2階(約3メートル)の高さから飛び降りた衝撃に匹敵します。  2機目のC-1からも20名の隊員が降下しました。
 3機目のC-1が会場に進入してきました。  隊員1人あたりの装備重量は、落下傘が約25kg、背嚢及び各種装具が約30~40kg、武器等を合わせると合計約60~80kgにもなります。
 3機目のC-1からも20名が降下しました。  最後はC-130Hです。
 扉付近を拡大してみました。  隊員1人あたりの装備重量は、落下傘が約25kg、背嚢及び各種装具が約30~40kg、武器等を合わせると合計約60~80kgにもなります。
 C-130Hからも20名が降下しました。
 先に降下した隊員が着地していないうちに、次の降下が実施されており、連続した落下傘降下が行われていることが分かると思います。
 次のページでは、訓練展示の続きを紹介します。