陸上自衛隊 平成27年度富士総合火力演習(教育演習・夜間演習)見学記録

 第3ページでは、後段演習の様子を紹介します。
 後段演習は、統合運用による「島嶼部における攻撃への対応」として重要な三段階である「部隊配置」「機動展開」「奪回」の作戦様相が取り入れられています。
 後段演習の準備の様子です。
 地上レーダ装置1号(改)JTPS-P23が登場しました。
 会場には、各種誘導弾の発射装置が準備されました。
 右側から96式多目的誘導弾システム、03式中距離地対空誘導弾、12式地対艦誘導弾です。
 遠方には、中距離多目的誘導弾が準備をを完了しています。
 後段演習の状況開始です。
 海上自衛隊の哨戒機P-3Cが、我が国に接近する敵艦船を情報収集を行うため、洋上を飛行する様子です。
 映像のみで実機は登場しませんでした。
 航空自衛隊のF-2戦闘機が、P-3Cなどから得た情報に基づき発進し、敵艦船の撃破に向かいました。
 会場上空をF-2が通過しました。
 F-2は対艦ミサイルを発射して敵艦船を撃破するという設定ですが、実際に会場で射撃を行うことができない装備は、スクリーンに射撃と目標を撃破する映像が映し出されました。
 協同防空戦闘の説明です。
 敵は海上からの侵攻に先立ち、島嶼部の施設などに対し、急襲的な航空攻撃を行います。
 陸海空自衛隊は、飛来する目標の情報を共有し、それぞれの火器に適した目標を効率的に配分し、協同して防空作戦を実施します。
 03式中距離地対空誘導弾が、島嶼部に接近した航空機を撃破します。(映像のみ)
 地上レーダ装置1号(改)JTPS-P23です。
 島嶼部に事前に配備した沿岸監視部隊が、接近する敵艦艇などの情報を収集します。
 情報は統合火力調整所に集約され、火力戦闘指揮統制システム(FCCS)が最適な火力戦闘手段を瞬時に判定して、射撃部隊に指示を与えます。
 12式地対艦誘導弾システムが対艦射撃を行いました。(映像のみ)
 対艦攻撃を回避した一部の敵艦艇や上陸用舟艇が、沿岸部に接近してきました。
 96式多目的誘導弾が、対舟艇射撃を行います。(映像のみ)
 中距離多目的誘導弾が、敵艦艇から卸下された水陸両用車両を射撃しました。
 対艦攻撃及び沿岸部の戦闘における被害を免れた敵部隊の一部が上陸し、内陸部に侵攻しました。
 沿岸部において敵情を監視していた潜伏斥候から統合火力調整所に、重要度の高い敵指揮官車両の情報が送られてきました。
 空中待機していた2機のF-2が登場しました。
 F-2がレーザーJDAMにより、敵指揮官車列に対して対地攻撃を行います。
 潜伏斥候が目標に誘導用レーザーを照射し、爆弾を精密に爆撃地点に誘導します。
F-2は、築城基地の第6飛行隊の所属機です。
 敵指揮車両と通信車両を破壊しました。
 実際に爆弾は投下せず、予め地上に設置した爆薬を爆破して、着弾を再現しました。
 LJDAMは、F-2の機体改修や誘導員の養成などが計画途上であり、実用化までには期間を要するものと思われます。
 敵部隊は要点を確保しました。
 我が国の島嶼部に上陸した敵部隊を撃破するため、日本本土に配備された部隊が空中・海上から各種輸送手段を駆使して、速やかに島嶼部に機動展開します。
 観測ヘリコプター「OH-1」が空中から偵察し、勢力不明の敵部隊を発見しました。
 迅速性を要する偵察部隊・先遣部隊が、輸送ヘリコプターにより、空路から島嶼部に展開します。  戦闘ヘリコプター「AH-64D」が援護、警戒します。
 多用途ヘリコプター「UH-1J」1機には、2台の偵察用オートバイが搭載されていました。  斥候班が敵の後方に潜入し、情報を収集を開始します。
 先遣部隊の機動展開を援護するため AH-64Dが警戒援護します。
 30mm機関砲が制圧射撃を行います。
 多用途ヘリコプター「UH-60JA」が登場しました。
 主力展開までの間、敵の侵攻を阻止するために先遣小隊が機動展開し、要点を確保します。
 ロープを降ろしました。  降下の準備をしている様子です。
 降下する様子です。  降着した先遣小隊は、相互に援護しながら攻撃前進し、要点を確保します。
 輸送ヘリコプター「CH-47」2機が登場しました。
 中隊主力が降着します。
 着陸した様子です。
 機内に搭載された高機動車が卸下されます。  総火演当日には、アメリカ海兵隊のMV-22オスプレイが航過飛行を行いました。
 スクリーンでは、陸上自衛隊はMV-22の配備を予定しているとの映像が紹介されました。
 中隊主力は攻撃前進します。
 高機動車には、8名が乗車しています。
 続いて、補給物資を積載した2機のCH-47が降着します。
 先遣部隊に必要な弾薬・糧食・燃料などを積載した車両を卸下します。  1/2tトラックの荷台には81mm迫撃砲弾、1/4tトレーラには120mm迫撃砲弾の弾薬箱を積載して、物資輸送を表現しています。
 海上自衛隊の輸送艦により、奪回部隊の主力が上陸しました。
 偵察部隊の87式偵察警戒車が登場しました。
 偵察部隊の軽装甲機動車です。
 襲撃部隊が不意急襲射撃により、敵に混乱を生じさせ、これに乗じて潜入部隊が敵の警戒線を突破します。  潜入部隊の登場です。
 強行突破により、前進を継続します。
 偵察用オートバイの潜入部隊が、敵の警戒線を突破します。  偵察部隊が敵情を報告します。
 敵陣地及び戦車を含む車両多数を発見しました。
 攻撃開始に先立ち、攻撃前進を容易にするため、味方の前進を妨害する敵に対して、火力戦闘部隊が砲迫射撃により、攻撃準備射撃を行います。  攻撃を射撃支援するため、74式戦車及び対戦車部隊が射撃陣地を占領しました。
 敵戦車に対して、74式戦車が射撃支援しました。
 87式対戦車誘導弾も射撃を行いましたが、撮影できませんでした。
 敵陣地前の障害処理を開始します。
 施設小隊の障害処理を援護するため、特科部隊が障害処理掩護射撃を開始しました。
 広い地域に発煙弾が着弾します。
 地雷原を処理して戦車用通路の開設するため、92式地雷原処理車が登場しました。  地雷原処理用ロケット弾を投射しました。
 対戦車誘導弾よりも飛翔速度が遅いので、写真に収め易いです。  パラシュートが開き、ロケット内部から爆薬ブロックを引き出しています。
 ロケットには、26個の爆薬ブロックを内蔵します。
 爆薬ブロックの爆発で、地雷を爆破処理して、戦車用通路を一挙に開設できます。
 実際に搭載する爆薬ブロックを1/4に減らしています。
 本来なら一直線に爆発するものと思われます。
 特科部隊が前進支援射撃を開始しました。
 発煙弾が着弾します。
 広範囲を発煙弾が覆い隠しています。
 装甲戦闘車化小隊が登場しました。
 総火演当日とは、シナリオの順序が若干異なります。
 89式装甲戦闘車が急制動します。
 装甲車に対して射撃しました。  敵の戦闘ヘリコプターが接近してきました。
 93式近距離地対空誘導弾が陣地占領して、敵の航空攻撃を警戒します。
 87式自走高射機関砲が、敵の戦闘ヘリコプターを射撃しました。  突撃支援射撃が開始されました。
 81mm迫撃砲が着弾する様子です。
10式戦車が登場しました。
後方にはヘリコプターが待機しており、後段演習の最終局面を迎えます。
 敵陣地に突撃を開始しました。  最終段階の戦果拡張です。
 空・地一体の攻撃で、島嶼部一帯に残存する敵部隊を撃滅し、島嶼部を奪還します。
発煙弾を発射しました。
 瞬時に煙の壁が現出して、視界を遮断します。  後段演習の終了です。
 次のページでは、後段演習終了後の会場の様子と夜間演習の一部を紹介します。